なぜ絶版「レガシィ」をスバルが収集? 歴代レガシィツーリングワゴンを用意した狙いとは
スバルが、自社で用意するメディア向けの貸し出し車両(広報車)のラインナップに、絶版となった旧型「レガシィツーリングワゴン」が2019年から加わりはじめました。ネットオークションなどで買い付けをおこない、メディア向けに貸し出しを始めているというのですが、自社の旧車を収集している狙いとはいったいなんでしょうか。
2020年3月19日、スバルから筆者(桃田健史)の元に「新規広報車導入のおしらせ」というメールが来ました。導入されたクルマのなかには、旧型モデルとなった「レガシィツーリングワゴン」もなぜか含まれています。
通常、自動車メーカーの広報車は最新モデルラインアップに沿って準備されるのですが、旧型のレガシィツーリングワゴンを配備したスバルの狙いとは、いったい何でしょうか。
新規導入となったのは、レガシィツーリングワゴンの3代目モデル(型式BH)の「GT-B」と4代目モデル(型式BP) の「2.0R 50th Anniversary」です。
また同じタイミングで、555台の限定数に対して約1万3000の応募があった「WRX STI EJ20 Final Edition」や、STIパーツ装着車2台も広報車に加わっています。
広報車とは、自動車メーカーの広報活動の一環として、ジャーナリストやメディア関係者が記事化を前提とした公道試乗をおこなえるように、自社所有しているクルマのことです。
じつは、現在のスバルの広報車には、3代目モデルや4代目モデルのほかに、初代モデルや2代目モデル、そして5代目モデルのレガシィツーリングワゴンがすでに含まれていました。
歴代のレガシィツーリングワゴン広報車を用意した背景について、スバル広報部に聞きました。
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筆者:いつから旧型モデルを導入しているのでしょうか。また、これらの広報車は、どのように手配したのでしょうか。
スバル広報部:2019年9月から導入しています(2019年:5台、2020年:2台)。ヤフオク、カーセンサー、Gooなど、一般に流通しているものを業者が買い付け、レストアしたものを購入しました。選定やレストア箇所は業者と広報部で相談しています。その過程で、納車されたクルマの状態が悪く買い直したケースや、初代、2代目では生産終了している部品も多く、修復できないものは3Dプリンターを駆使して部品を制作した箇所もあります。
筆者:以前に、こうした生産中止となったモデルの広報車を貸し出したことはありますか。
スバル広報部:歴史車両の保管や展示は以前からしていますが、ナンバーを取得して広報車として運用するのは初めてです。
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一般的に、広報車はマイナーチェンジやフルモデルチェンジのタイミングで入れ替わります。ラインナップから外れた広報車は各社ディーラー網などを通じて、中古車として売却されるのが一般的な流れです。
一部の広報車は、社内資料用として継続して保有する場合があります。ですが、今回のレガシィツーリングワゴンのように、歴代モデル、しかも20年から30年近く前のクルマを新規広報車リストに載せるのは珍しいと思います。
こうした状況について、ほかのメディアなどでは「新型『レヴォーグ』の発売を念頭に置いた動きでは」と書かれている場合がありますが、それは本当なのでしょうか。
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筆者:なぜ、このタイミングで旧モデルのレガシィツーリングワゴン広報車を準備したのですか。
スバル広報部:今回準備したのは、2020年後半に予定している新型レヴォーグの発売にあたり、初代レガシィよりスバルが提唱している「より遠くまで、より早く、より快適に、より安全に」というグランドツーリング思想に基づいたクルマ作りを、改めて多くの人に知っていただきたいからです。新型レヴォーグもグランドツーリング思想を継承し、大きな進化を遂げた商品となっています。
筆者:今後、ほかのモデルでも、こうした試みをおこなう予定(考え)はありますか。
スバル広報部:今回の企画が、新型車導入やブランディングで有効と判断できた場合、他車種でも検討したいと思います。
ならば,伝統の「M/T」それも6M/Tモデルも早急に用意してくれと言いたい。技術者曰く「アイサイト」との相性が悪いから設定しない。知るか。「アイサイト」に頼る様な輩がM/T欲しがるかよ。