「GRヤリス」もビックリの怪物とは!? 超ド級のコンパクトカー5選
高性能なエンジンを搭載したコンパクトカーを「ホットハッチ」と呼ぶことがありますが、なかにはとてつもないモンスター級のモデルもありました。そこで、現実離れした高性能なコンパクトカーを5車種ピックアップして紹介します。
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型破りなとんでもないコンパクトカーがあった!
2020年1月にトヨタから、272馬力を絞り出す1.6リッターエンジンを搭載した高性能コンパクトカーの「GRヤリス」が発表され、大いに話題となります。
しかし、かつて現在では考えられないような、さらに驚くべきコンパクトカーが存在しました。
そこで、現実離れしたモンスター級のコンパクトカーを5車種ピックアップして紹介します。
●ルノー「5ターボ」
現在のルノーラインナップでは「トゥインゴ」がもっともコンパクトなモデルですが、かつては「5(サンク)」が、そのポジションを担っていました。
この5をベースとして、世界ラリー選手権(WRC)に参戦するために開発されたのが「5ターボ」です。
5ターボは1980年に発売され、エンジンを後席部分に縦置きに配置し、リアタイヤを駆動する2シーターカーに作り変えられていました。
搭載されたエンジンは1.4リッター直列4気筒OHVにターボが装着され、市販モデルで最高出力160馬力を発揮。
さらに、外観も大きく張り出したオーバーフェンダーで、とても大衆車をベースしたとは思えないほど強烈なオーラを放っています。
初期のモデルでは、内装の色使いやデザインが非常に秀逸で、モータースポーツベース車とは思えないほどアヴァンギャルドなクルマに仕立てられていました。
●プジョー「205ターボ16」
1983年に登場したコンパクトハッチバックのプジョー「205」は、1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載したFFで、フランス車らしい優れたデザインで日本でも話題となったモデルです。
国内には1986年から正規輸入が開始され、スポーティな「205 GTI」がとくに人気となりました。
そして、1984年にはWRCへの参戦を目的したモータースポーツベース車(グループB車両)の、「205ターボ16」が登場します。
WRCでアウディ「クワトロ」が快進撃を続けていたなか、フロントエンジンでは4WDであってもコーナーリング性能に限界があると考えたプジョーは、205を4WDにするだけでなくエンジンをリアミッドシップに搭載。
1.8リッター直列4気筒ターボエンジンは、市販モデルでは最高出力202馬力と控えめでしたが、ラリー車両は540馬力を誇りました。
205ターボ16の外観は、シルエットこそ205をイメージしていましたが外装にFRPを多用し、張り出したフェンダーや大型のエアロパーツなどで、一見して戦闘マシンであることをアピールしています。
●ランチア「デルタS4」
1979年にデビューしたランチア「デルタ」は、スタイリッシュな5ドアハッチバックで、FFレイアウトのコンパクトカーでした。
そして1985年に、フィアットグループはWRCのグループB車両として「デルタS4」を開発。デルタを名乗っていましたが、市販のデルタとはまったく異なるシャシとボディとなっています。
搭載されたエンジンは1.8リッター直列4気筒で、高回転域ではターボチャージャーで過給し、低回転域やスロットルオフからの加速時はアバルト製スーパーチャージャーで過給する、ツインチャージャーを採用。これをリアミッドシップに縦置きにマウントするフルタイム4WDとなっていました。
なお、市販モデルの最高出力は250馬力でしたが、ワークス車両では500馬力以上を発揮したといいます。
デルタS4がWRCに参戦すると、圧倒的な強さを誇りました。しかし、1986年のWRC第5戦「ツール・ド・コルス」で、オーバースピードによりコースアウトしたデルタS4が崖下に転落し炎上。
ランチアのエースドライバーだったヘンリ・トイヴォネンと、コドライバーの両名が死亡するという、痛ましい事故が起き、直近のレースでも重大事故が多発していたため、グループBは危険すぎると判断されて1986年シーズンをもって終了しました。
ルノー5ターボ他3台(アバルト除く)と、GRヤリスを比較するのは、あまりにも無謀でしょう(笑)。格が違いすぎますね。