なぜ時間貸し駐車場は「48時間制限」存在? 超過した場合に出る警告とは

「48時間」の理由は業界的な商慣習にあった?

 タイムズパーキングの方針はわかりましたが、時間貸し駐車場業界全体ではどのような理由になっているのでしょうか。

「48時間を超える駐車はご遠慮ください」と記載されたコインパーキングの看板
「48時間を超える駐車はご遠慮ください」と記載されたコインパーキングの看板

 全国の時間貸し駐車場案内サイト「駐車場の神様」を運営する株式会社ミコトの野口幸男社長は、理由の詳細を次のように説明します。

「48時間の法的根拠は基本的にはございません。コインパーキング及び駐車場業界での経験に基づく商習慣といえ、ポイントはふたつあります。

 ひとつめは、一般的に駐車場(時間貸し)での利用時間がとくに長くなるのは、夜にお酒を含む飲食をして駐車場に停めたまま家に電車かタクシーで帰り、翌日もしくは翌々日にクルマを出庫させる場合が多いと考えられます。

 その場合は、だいたい48時間(2日から3日間)の長時間駐車となります。

 ふたつめは、駐車場の利用時間・期間の制限がない場合は、長期間車両を放置されても駐車場側で簡単に車両を撤去できない(放置車両の問題)という法的な理由があります。

 仮に車両を撤去する場合には、複雑な行政・法的な手続きや費用が伴います。反社会的勢力関係者の所有車両の場合には、トラブルや事件に発展することも多く発生していたという過去の経験もあります。

 以上の2点を考慮し、利用時間の制約を設け、ひとつめの(おもに長くなる場合の)長時間駐車の利用ニーズに準じて、48時間と設定してきた業界的な商慣習といえます」

※ ※ ※

 48時間の制限は、長時間駐車をするユーザーの利用パターンに合わせた時間設定が由来でした。警告については、巡回のタイミングやカメラなどの監視によるもので、48時間が過ぎたら必ず警告される、ということでもなさそうです。

 野口社長によると、「最近では72時間に設定する駐車場も出てきています」とのことでしたので、長く駐車する際には個々の駐車場で確認しておくと良いでしょう。

 48時間以上の駐車予定がある場合は事前に個々の駐車場に掲示されている管理会社の緊急連絡先やカスタマーセンターなどに電話をして、許可が下りれば駐車は可能です。

 予定が変わって48時間以上駐車することになった場合も、途中で連絡して申請が受理されれば、警告の紙を貼られることもありません。

 なお48時間はすべての時間貸し駐車場で導入されているルールではなく、ショッピングモールや公社駐車場など管理者が常駐している時間貸し駐車場などでは制限を設けていないところもあるようです。

【画像】なぜ「48時間まで」? コインパーキングを48時間以上利用したときの対処法とは(12枚)

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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