2020年2月から、初乗り距離を短縮することで短い距離での利用をしやすくすることと、タクシー運転者の労働条件の改善を目的に、一部の地域でタクシー運賃が引き上げられました。

　このタクシー運賃の変更により、従来2kmとなっていた初乗りの距離が1.2km～1 .47kmへ短縮され、740円だった初乗り運賃は500円～620円に値下げされています。

　一方で、加算運賃は加算距離が短縮されるうえに運賃も90円から100円へと値上げされました。

　その結果、短距離での利用においては値下げとなるものの、乗車距離が長くなると従来の運賃より高くなってしまう、実質的な値上げとなっています。

　今回のタクシー運賃のひきあげについて、アジアを中心に旅行事業を展開するエアトリが調査を実施。20代から70代の男女791名を対象に、アンケートをおこないました。

　まず、「一部の地域（25都道府県48地域）でタクシー運賃の値上げがされることを知っていましたか？」という質問に対し、「知っている」人が 22.6％だった一方で、「知らなかった」人が77.4％と、約8割がタクシー運賃の値上げを知らなかったと回答。

　「タクシーの値上げについてどう思うか」という質問には、タクシー運転手の労働条件の改善に理解を示しつつも、「どちらとも言えない」と回答した人が 54％で最多。「賛成」は 14.7％だった一方で「反対」は31.4％と、タクシー運賃が高いと感じている人が多いようです。

　また、タクシーの利用頻度については、「ほぼ利用しない」が 51.7％で最多となり、「数か月に1回」が24.8％、「月に1、2回」が15.5％と続く結果となりました。

　数か月に1回以上タクシーを利用している人に、「タクシー運賃の値上げ後も変わらずタクシーを利用するか」と聞いたところ、「変わらずタクシーを利用する」人は 67％だった一方で、「利用回数を減らす」と答えた人は 26.2％、「利用しない」は 6.8％でした。

　さらに、タクシー運賃の値上げ後は乗車回数を減らす、または、利用しないと回答した人に、「初乗り（2km まで）がいくら位までなら継続して利用するか」と質問したところ、「450 円以下」なら継続して利用したい人が42.9％で最多となり、「500 円」が30.2％、「550 円」が4％、「600 円」 が10.3％でした。

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　今回のタクシー運賃の引き上げについては、ほとんどの人が認識しないままいつの間にか引き上げられていたというのが実情のようです。

　しかし、これまではタクシーを利用する際、目的地に着いてからでないと料金が明確に分からないなどの不透明な部分がありましたが、最近はアプリなどを活用することで、事前に料金を把握できるようになっています。

　運賃が上がったから乗らないのではなく、それらの機能を活用し、料金を明確化することでさらに便利にタクシーを利用できるのではないでしょうか。