もうトイレに忘れない!? 急病人も早期に発見? 高速道SAPAにAIセンサーを本格導入へ

公共交通機関に設置されるトイレでは、さまざまな忘れ物が多発しているといいます。同様に、高速道路のSA/PA内にあるトイレでも、忘れ物が多いことからNEXCO中日本では、AIを駆使したセンサーを用いた「アウトラインセンサー」の本格導入を公表しました。忘れ物だけでなく、急病人の早期発見にも役立つ「アウトラインセンサー」とは、どのようなものなのでしょうか。

トイレ内の忘れ物や急病人を早期発見!

 中部圏の高速道路を管理・運営するNEXCO中日本は、グループ会社である中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋が開発した、トイレ内の忘れ物や急病人を早期に発見する「アウトラインセンサー」の本格的に導入することを発表しました。

AIセンサーが忘れ物防止に活躍!?
AIセンサーが忘れ物防止に活躍!?

 アウトラインセンサーとは、個室トイレの天井に設置したセンサーが、人や物のシルエットを検知し、個室ドアの開閉信号と連動して「忘れ物」や「動けなくなった人」を判定する仕組みの装置です。

 NEXCO中日本では、2018年から一部のパーキングエリア(PA)などで試行的に導入し、AI分析による識別の精度を向上してきました。

 これまでは、トイレの天井に設置したセンサーが、「トイレに入る前」と「トイレから出た後」のシルエットを検知し、輪郭(アウトライン)の差をAI分析により識別していましたが、トイレットペーパーの切れ端や芯など、本来検知しなくてもよいものまで検知されている状況も見受けられたといいます。

 そのため、トイレ内の忘れ物として多い、財布や携帯電話など「検知すべきもの」を限定し、約7万件のデータをAIに学習させることによって、識別の精度向上を図りました。

 そのデータとして取り込んでいる忘れ物は、財布、小銭入れ、携帯電話、ポーチ、バック、リュック、帽子、傘、メガネ、ハンカチ、杖など、忘れ物の定番品といえるものです。

 2018年から試行的に導入していた「東海環状自動車道 鞍ヶ池PA(内回り)や「北陸自動車道 女形谷PA(下り)」など以外でも、2020年3月末までに「東名高速道路 港北PA(上・下)」、「海老名SA(上・下)」のすべての個室トイレに導入。そのほか、「首都圏中央連絡自動車道 厚木PA(内・外)」の一部個室トイレにアウトラインセンサーを導入します。

 また、東京オリンピック・パラリンピックの開催までに、以下のSA・PAにおける一部の個室トイレへの導入を予定しています。

・東名高速道路:中井PA(上・下)、鮎沢PA(上・下)、足柄SA(上・下)、駒門PA(下)、愛鷹PA(上・下)、牧之原SA(上)、浜名湖SA(集約)、豊橋PA(下)

・中央自動車道:石川PA(上・下)

・西湘バイパス:西湘PA(上)

・小田原厚木道路:大磯PA(上) 平塚PA(下)、小田原PA(下)

※ ※ ※

 NEXCO中日本は、今後のアウトラインセンサーの導入について、次のように話します。

「今回、本格導入の目途がたったことから、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて導入箇所を拡大することとしました。

 今後もアウトラインセンサーのデータアップデートを継続的におこない、引き続き忘れ物の識別の精度向上を図る一方、今回発表したSA・PA以外への導入を検討してまいります」

【画像】もう忘れない!? トイレ内に設置されたセンサーを見る!

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