なぜ冬場に脱輪事故が増加? 大型車の9割で「左後輪」が外れる理由

人的ミスだけじゃない? 道路環境や世界ルールも脱輪の要因?

 一般的には、タイヤ交換時の人的ミスが脱輪のおもな要因とされていますが、タイヤ自体に掛かる負荷も大きく影響しているとされています。

 日本の左車線通行においては、右折時は比較的スピードが出た状態で大周りをすることが多いとされ、遠心力によって左側に負荷がかかりやすくなります。

 さらに、左折時は小回りに旋回しなくてはいけないため、左後輪がねじれた状態になってしまうため大きな力が働いてしまいます。

 また、道路は水はけを良くするため、センターライン部分から路肩に掛けて、人が認識できない程の傾斜があるために、重量がある大型車では左側に荷重がかかりやすくなります。

 とくに、後輪は前輪と違いドライバーが違和感を持ちにくいため、脱輪するまで気付かなかったといったケースも多いようです。

大型車の約9割が「左後輪」で発生しています
大型車の約9割が「左後輪」で発生しています

 ボルトやナットが緩んでしまう原因には、締付け方式の規格が変わったことも関係しているといわれています。東北地域の車両整備スタッフは以下のように話します。

「従来のJIS方式では『右側のタイヤは右ネジでの締め付け』『左側のタイヤは左ネジでの締め付け』となっているため、タイヤが前進すると同時にナットも締め付けられる仕組みとなっていました。

 しかし、新たに採用された世界基準のISO方式では、『左右どちらのタイヤも右ネジ』となっています。これは一般的なクルマと同じ構造ですが、重量がある大型車ではこの些細な違いがナットの緩む引き金になっているのと思われます」

※ ※ ※

 外れたタイヤは軌道の予測が難しいだけでなく、いきなりバウンドをしてフロントガラスに突っ込んでくることも考えられます。被害を最小限に抑えるにはいかに減速して衝突時のダメージを和らげるかがポイントです。

 過去に大型トラックの脱輪事故を担当した警察官は、以下のように話します。

「幸いにも、周辺にクルマはいなかったので、大きな事故にはなりませんでした。しかし、交通量の多い道路であれば、大事故になっていたと思います。

 正直、突然猛スピードで転がってくるタイヤに対し、適切な回避行動を取ることは難しいです。仮に避けることができても、二次的な事故を引き起こしかねません。トラックやバスのドライバーは、くれぐれも整備不良のまま走行しないように注意してください」

※ ※ ※

 大型車を運転するドライバーは、作業時の確認と日常点検、これらを徹底的におこなうことで事故を未然に防げる確率が高くなります。

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1件のコメント

  1. アホな世界基準の大罪だな、第一に駆動輪である後輪軸のダブルタイヤを何で袋ナットを用いて逆ネジを使わないかが不思議なんだけどね。
    整備不良とかほざく前に国交相の検査、保安規準の不良を炙り出すのが先だろが
    軸重分布計算で振り分けられた軸重過重を公文書である車検証に記載して走るトラックに今更に左側に掛かる過重や負担とか後の祭りだろがよ
    免許制度もそうだけど何かと制度の欠陥を民を濾して隠蔽するのもいい加減にしろって話なんだよ。

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