三菱「デリカD:5」は冬レジャーに最適!? ミニバン×四駆の実力を体感

パワフルなディーゼルエンジンで走りが楽しい!

 デリカD:5は、ミニバンでありながら、卓越したオフロード性能を持つクルマです。ミニバンと四駆という特徴は唯一無二といえ、ほかのクルマにはない個性があります。

 ボディサイズは全長4800mm×全幅1795mm×全高1875mmと、トヨタの人気ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」よりもそれぞれ100mmほど短いものの、ラージサイズのミニバンに属しています。

三菱「デリカD:5 アーバンギア」
三菱「デリカD:5 アーバンギア」

 大きなボディではあるものの、実際に運転してみると、背の高いミニバンならではの視界の良さや四角いボディのおかげで、運転しづらいということはありません。フロントガラスやAピラー付近の三角窓も大きく、開放感のある視界が広がります。

 運転席・助手席をはじめ、スライドドアを開けて後席の乗り降りを手助けしてくれるグリップが装着されていますが、2019年11月の一部改良で、助手席側に電動サイドステップが追加されました。

 助手席もしくは助手席側のスライドドアを開けたときに自動で展開し、閉めると格納される電動サイドステップは、フロアが一段高くなっているデリカD:5の乗り降りの際に役立ちました。

 その一方で、雪が溶けかかったシャーベット状の路面を走ったあとに汚れを巻き上げてしまい、ステップがドロドロになってしまったのが気になりました。

 ドライ路面の場合は問題ないと思われますが、荒れた路面を走ったあとは適度に掃除する必要があるかもしれません。

 荷物が多くなりがちなアウトドアレジャーでは、荷室の積載性も気になるところです。今回は3列目シートを跳ね上げた状態で荷物を載せましたが、十分すぎるスペースで、スノーボードの板も楽に積むことができました。

 運転席、助手席、2列目シート(2名/3名)の4名もしくは5名が乗車しても、全員分の荷物を積める大容量で、これはミニバンのメリットだといえます。

 デリカD:5のパワートレインは、2.2リッタークリーンディーゼルエンジンに新開発の8速ATを組み合わせ、パワフルで滑らかな走りへと進化しました。

 マイチェン前のデリカのディーゼルは、パワフルではあるものの出だしがもたつくような感じがあったのですが、デリカD:5はどの速度域でも力強く走ってくれます。

 また、ディーゼル特有の振動は少なく、車外のガラガラ音は多少あるものの、車内にいるとほとんど感じません。

 フロントウィンドシールドに遮音ガラスを採用したり、フロアカーペットに遮音材を追加するなど、防音性能を強化されており、車内の静粛性が向上したということです。

 さまざまな遮音効果もあって室内は静かなのですが、驚いたのはアクセルを踏んだときのエキゾーストサウンドです。シフトアップ時の回転数の変化と連動して、ミニバンらしからぬスポーティなサウンドが楽しめました。

 高速道路を降りてゲレンデに向かうワインディング路は、凍結した路面にうっすら雪が積もった滑りやすい状況だったため、4WDモードに切り替えて走行しました。

 デリカD:5の電子制御4WDでは、新たにヨーレイトフィードバック制御を追加し、車両の旋回運動を的確に判断し、ハンドル操作に忠実な車両挙動を実現するということですが、確かに、滑りやすい路面でもとても安定しており、不安を感じる場面はありません。

 一方で上り坂は、車体が重いことが影響しているのか、あまり得意ではないようです。それでもトルクのあるエンジンのおかげで、それほどストレスを感じずに走ることができました。

 アーバンギアはエアロパーツが装着されているため、オフロード走行時のアプローチアングルやディパーチャーアングルが標準車に比べて小さくなるものの、極端な悪路でなければ問題ないようです。

 雪が積もった路面も少しだけ走行しましたが、ドライ路面走行時と変わらない安定感で、頼もしい四駆性能を体感できました。

 ドライブモードは、2WD、4WD、LOCKの3モードを備え、通常時は2WDで、雪道を走るときは4WDなどと、状況に応じて切り替えられるのもうれしいところです。

※ ※ ※

 ディーゼル車の燃料となる軽油は、気温が低下すると凍結するといわれています。そのため、首都圏から降雪地帯などに出かける場合は寒冷地用の軽油を給油する必要がありますが、燃料費をガソリン車よりも安く抑えられるのもディーゼル車の魅力です。

 実際、ゲレンデ駐車場には、新旧さまざまなデリカがとまっており、ウインタースポーツ愛好家からの支持率が高いことがわかります。

 ミニバンと四駆の良さを兼ね備えるデリカD:5は、アウトドアレジャーに適したクルマだといえるのではないでしょうか。

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