ジープで大人の雪遊び!! 「ラングラー・アンリミテッド」が日本でウケる理由に迫る!

日本市場で2009年から右肩上がりに販売台数を伸ばしているジープ「ラングラー・アンリミテッド」。なぜ、ラングラー・アンリミテッドが支持されているのか、雪上で試乗して確かめてきました。

ラングラー・アンリミテッドがいま、日本で愛されている理由

 ジープといえば、1940年代の軍用車のイメージがいまも色濃く残っています。そしてそのイメージにピッタリの現行ラインナップといえば、「ラングラー」でしょう。このラングラーのラインナップのなかで、もっとも現実的な2リッター4気筒ターボを搭載した「ラングラー・アンリミテッド・スポーツ」を、雪のトマムで試乗してきました。

ラングラー・アンリミテッドで大人の雪遊びを堪能!
ラングラー・アンリミテッドで大人の雪遊びを堪能!

 ラングラーといえば、全モデルに「Trail Rated」のバッジが備わるオフロード性能の高さに定評があります。そのオフロード性能を試すべく訪れたのは、冬だけでなく夏のリゾート地としても注目が集まっている北海道の「星野リゾート トマム」です。
 
 ちなみに「Trail Rated」とは、過酷なトレイルでの性能試験にパスしたジープだけに与えられるバッジです。
 
 白銀の世界での試乗に選んだのは、ラングラー・アンリミテッド・スポーツです。ラングラーには、さらにオフロード性能を高めた、3.6リッターV型6気筒DOHCエンジン搭載の「ルビコン」、ルビコンと同じエンジンを搭載した「アンリミテッド・サハラ」、そして2ドア仕様の「スポーツ」などがありますが、もっとも経済的かつ多用途性に富んだ4気筒エンジンを搭載した4ドアモデルを選びました。
 
 2009年に516台だったラングラーの販売台数は、3代目ラングラーのモデルライフ後半にも関わらず、2018年のモデルチェンジまで常に右肩上がりで台数を伸ばしてきました。そしてモデルチェンジ後の2019年には4873台にまで販売台数を伸ばしています。
 
 その理由はいろいろと考えられますが、丸目2灯・セブンスロットグリルというジープらしいデザインを踏襲していることが挙げられるでしょう。価値観が流動的である現代だからこそ、愛車にはタイムレスなデザインを受け継ぐラングラーを選ぶという心理にも納得がいきます。なお、日本での購入者の平均年齢は38歳です。
 
 タイムレスなデザインといえば、ラングラーの先祖といえるウィリス「M-38A1ジープ」は、MoMA(ニューヨーク近代美術館)に永久収蔵されています。つまり、MoMAが認めたデザインの流れを色濃く踏襲しているラングラーは、デザイン感度の高い若い人が、積極的に選択したくなるクルマということです。
 
 5年先、10年先でも色褪せない定番デザインであるからこそ、安心して購入することができるのです。それを証明するかのように、ラングラーは残存価値も高いという結果が出ています。
 
 白銀の世界に佇む真っ赤なラングラー・アンリミテッド・スポーツ(以下ラングラー)の扉を開き、さっそくAピラーの取っ手を掴んでドライバーズシートに乗り込みます。
 
 短いダッシュボード、トランスファーとシフトの2本のレバー、高いアイポイントなど、先代モデルを思い起こさせるものの、質感は格段に向上し、ギア感がさらに強くなったデザインとなっています。
 
 エンジンスタートのボタン押してエンジンを始動するのですが、このとき、雪で濡れたグローブを嵌めたままでも大丈夫。エンジンスタートボタンは防水シールドで保護されているからです。
 
 装着しているタイヤはスタッドレスのグッドイヤー・アイスナビSUVです。
 
 さっそく宿泊しているリゾナーレトマムの駐車場から一般道へ。リゾナーレトマムを擁する「星野リゾート トマム」は、約1000ヘクタールもの広大な敷地に囲まれており、山の中腹にあるリゾナーレトマムから一般道までの私道を走るだけでも、雪道試乗ができそうなほどです。
 
 氷点下での試乗ですが、ラングラーのドライバーズシートに座り、ホテル駐車場から一般道へ出る頃には、車内は寒さなど感じない快適な空間へと変化しています。ステアリングホイールを温める「ヒーテッドステアリングホイール」と3段階で温度調節が可能な「フロントシートヒーター」は、冬場の快適なドライブにはマストアイテムです。
 
 ダッシュボードの中央には、「8.4インチタッチパネルモニター」が備えられています。この大型フルカラー高精細タッチパネルモニターは、Apple CarPlayやAndroid Auto、Siri Eyes Free、ボイスコマンド、プレミアムピンチ・トゥ・ズーム ナビゲーションなどと、包括的にスマートフォンと連携することが可能です。
 
 車内環境、そして通信環境が快適であることは、車外環境が厳しければ厳しいほど、精神的な安心感をドライバーにもたらしてくれます。質感の向上したインテリアとあいまって、ラングラーから全幅の信頼を寄せることができる頼もしさが伝わってきます。
 
 悪路を走破するSUVにあって、その存在だけで信頼を寄せられるか否かは、ドライバーにとって非常に大きな問題です。

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