ジープで大人の雪遊び!! 「ラングラー・アンリミテッド」が日本でウケる理由に迫る!
あらゆる状況下で安心感をもたらしてくれるラングラー・アンリミテッド
本格的な試乗は、夏季は牧場となる一般車が進入禁止の私有地の私道でおこなわれました。対向車やスピード超過を気にすることなく、存分にラングラーの真価を試すことができるステージです。
雪を巻き上げるほどのスピードで疾走しても、ラングラーに対する信頼感は揺るぐことはありません。それは2リッター直列4気筒DOHCターボエンジン(以下直4)のフィーリングよるところも大きいでしょう。
この直4の最高出力は、272馬力/5250rpm、最大トルクは400Nm/3000rpmです。このほかラングラーに搭載される3.6リッターV型6気筒DOHCエンジン(以下V6)の最高出力は、284馬力/6400rpm、最大トルクは347Nm/4100rpmです。
直4の最高出力はV6に12馬力劣るものの、最大トルクはむしろ53Nmも勝っています。しかもそれぞれエンジン回転数が1000rpmも低いことも見逃せません。雪道の場合、微妙なアクセルワークが求められますが、直4のほうが厚底のブーツを履いていても意のままにコントロールしやすいのです。
セレクトラック フルタイム4×4システムは、雪道用の4×4レンジ「4H」に手動でレンジ切り替えもできますが、「4H AUTO」モードであらゆるシーンで対応できました。走行中でも2WDから4WDのハイレンジに切り替えができるシフトオンザフライシステムで、うっすらと雪の積もる高速道路からアイスバーンの一般道、新雪の残る雪道まですべて完璧にカバーしてくれたのです。
もう少し分かりやすく解説すると、「4H AUTO」は、駆動力を前輪0%:後輪100%から前輪50%:後輪50%へと自動で走行中に可変してくれるというものです。前輪0%:後輪100%で走行中に、リアが少しでも滑ったりした場合、前輪が駆動して引っ張ってくれるので、車両は常に安定志向となるのです。
試しに、クルマが乗り入れていない牧場の広場を走ってみたのですが(万が一スタックした場合は、雪上車がレスキューしてくれるという保証つきで)、「4H AUTO」モードのみで十分に圧雪されていない雪原を自由自在に走ることが可能でした。
また、モーグルの走破も試してみたのですが、こちらも「4H AUTO」で楽々と乗り越えることができました。ラングラーには、雪道や砂利道などの未舗装路に有効な4×4レンジ「4H」の上に、悪路や岩登りの際に最大の駆動力を発生するローギアードの「4L」が用意されています。
今シーズンは北海道でも積雪量が少なく、ラングラーの持つポテンシャルの半分も引き出すことができなかった感は否めません。
さらに「ラングラー・アンリミテッド・ルビコン」に至っては、「ロックトラック4×4システム」という究極のオフロード走破スペシャルの4×4システムも装備されます。ラングラーの限界を一度、試してみたいものです。
さて、牧場で大人の雪遊びに興じていると、気がつけば今にも日が沈みそうな気配。牧場の私道のゲートが閉じられる前に一般道に出るべく、雪道を飛ばしていて「4H AUTO」のありがたみがひとつ加わりました。
コーナーでリアが滑りそうになると、こちらがカウンターを当てるまもなくフロントに駆動力が加わり、体勢をキープしてくれるのです。これならば女性や運転に自信のない人は、「4H AUTO」で十分に日常でのドライブをカバーしてくれるはずです。
先代モデルまでは、2WDと4WDをドライバーが選択するパートタイム式の「コマンドトラック」でしたが、「4H AUTO」が加わったセレクトラック フルタイム4×4システムは、さらにラングラーを身近な存在にしました。最小回転半径も、先代の7.1mから6.2mになり、使い勝手も向上しています。
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本格的オフローダーであるラングラーは、これまで玄人向けというイメージがありました。しかし、悪路を走ることのない都会派の人にも、運転のしやすさや使い勝手などの面で十分に受け入れられるだけの柔軟性が備わりました。
あくまでも今回は雪道だけでの試乗でしたが、ラングラーの懐がさらに広くなったことがよく理解できました。だからこそ、常に堅調に販売台数を伸ばしているのです。
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