雪でクルマが立ち往生! 脱出時の対処法や備えておきたいグッズとは

昨今の異常気象により、夏は大型の台風や急な豪雨が発生しますが、冬は大雪が降ることがあります。突然の積雪でクルマがスリップやスタックすることがありますが、その場合はどのように対処すればよいのでしょうか。

大雪でクルマが動けなくなってしまったときはどうする?

 近年は異常気象が多発し、夏には大型の台風やゲリラ豪雨の被害などが発生しています。また、冬には、突然の寒波襲来によって大雪が降ることもあります。

 しかし、ふだん雪が少ない地域では、降雪対策などはほとんどしていない場合が多いのも事実です。とくに雪に慣れていない都心部は、大雪によって交通網が混乱することがあります。

タイヤチェーンは駆動輪に装着しないと意味がない
タイヤチェーンは駆動輪に装着しないと意味がない

 クルマを運転するときの雪対策としては、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンを準備することがあげられますが、それでもスリップやスタックして立ち往生することがあります。

 雪の多いエリアである新潟県の県警が2018年11月に発表した「冬道の安全走行」レポートによると、冬季に起きた交通事故の約11%がスリップが原因とされています。

 また、雪が降り始める12月よりも1月から2月に事故が増える傾向があるようです。これは雪に慣れたことによって警戒心が弱まるためであると考えられており、積雪地域でも多くの事故が発生しています。

 2018年1月に東京都心で10cm以上の積雪を記録した際は、16時30分から18時までのわずか90分の間に、人身事故22件、物損事故377件が発生するなど、雪によるスリップ事故が多発しました(警視庁統計)。

 とくに、坂道や立体交差の傾斜路でスリップやスタックなどで立ち往生したクルマに、ほかのクルマが止まれずに衝突するケースが多かったと報告されています。

 なお、積雪や凍結した道路で、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンなどの滑り止め対策をとらずに運転すると法令違反となります。

 しかし、対策を施していても大雪でスリップやスタックしてしまうことがあります。そのような事態に、どのように対処すればいいのでしょうか。

 長野県のスキー場勤務で、雪のなかをクルマで通勤していた元スキーインストラクターのI氏は、次のように説明します。

●状況を確認する

 スタックするとどうしても慌ててしまいますが、どういった状況なのかで対処が変わってきます。

 スリップしてしたり新雪にスタックした場合は、クルマを前後に動かせるかを試してみて、タイヤ周辺の雪を踏み固めることでグリップ力が回復することもあります。

●駆動輪と路面の間にものを挟ませる

 スリップして動けない場合はタイヤが空転しているということなので、駆動輪の下に板状のものを差し込み、タイヤの接地面のグリップを回復させる方法があります。

 そういったものがない場合には、自分の車のフロアマットを代用品に使うことができます。できれば、運転席以外の後部座席用のマットをタイヤと路面の間に差し込み、ゆっくりとアクセルを踏み込むことで脱出することができる場合があります。

 急にアクセルを踏み込むと、差し込んだものが後ろに飛び出してしまうことがあるので、注意が必要です。

●凍結路は硬いもので傷をつけてみる

 ツルツルした凍結路でスリップしてしまった場合は、路面をスコップなどの硬いもので傷をつけ凹凸を作ることで、グリップ力が回復する可能性もあります。

 または、あえて柔らかい新雪をタイヤ前後に軽く撒いてみるのもひとつの方法です。

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