トヨタはなぜ販売網を整理? 新車販売から新サービス強化に転換する理由
チャネル統合により消える可能性があるクルマは…
トヨタの販売チャネルの統合は、メーカーにとって製造する「車種の整理・統合」というメリットもあります。
2019年に長い歴史を閉じた「エスティマ」やマークXは、車種の整理の第一段階だったのではといわれていますが、その先の本命ともいえるのが、5ナンバーミニバン3兄弟です。
現在、ネッツ店で販売する「ヴォクシー」、カローラ店の「ノア」、トヨタ店&トヨペット店で扱う「エスクァイア」が、2021年のフルモデルチェンジで統合され「ノア」に統一されるという噂です。つまり、ヴォクシー/エスクァイアの両車は、現行型で役目を終えるわけです。
新型ノアは、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)プラットフォームに基づいて設計され、大きくクオリティを上げてきそうです。
ボディは5ナンバーの「ハコ」というコンセプトは不変で、ノーマル版のほかにヴォクシー/エスクァイアのユーザーに対応したカスタムバージョンが存在すると噂されます。
また、トヨタ車のカスタマイズパーツの開発・販売をおこなうモデリスタなどが積極的なパーツ供給に乗り出してくることも間違いありません。GRブランドの投入も十分にありそうです。
さらにノアだけの単一通称名となれば、日産「セレナ」が現在持っている「ミニバン販売台数No.1」の称号奪取も難しくないでしょう。
同様に上級ミニバンであるトヨペット店の「アルファード」、ネッツ店の「ヴェルファイア」にも統合の動きがあります。
また、販売系列統合で必要が無くなりそうなモデルも存在します。2019年のモデルチェンジで新型モデルとなったカローラ/カローラツーリングが全店販売となるなら、先代カローラをベースにしたトヨタ店「アリオン」やトヨペット店「プレミオ」の存在に黄色信号が灯ります。さらに「ポルテ」「スペイド」兄弟、「ルーミー」「タンク」の統合もありそうです。
車種の統合について、前述とは別のトヨタ販売店スタッフは以下のように話します。
「特定の車種は消えてしまうというのは、噂の範囲ですがささやかれています。一度、自動車業界に詳しいお客さまで『どうせなくなるだろうから別の車種にする』という人もいらっしゃいました。我々も、統合の可能性がある車種については、どう売っていくか模索しているところです」
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トヨタは、クルマの変革スピード、CASEやMaaSなどの登場で変化する自動車市場で、国内約5000店舗というネットワークの変革と活用を模索しながら、一層スピードアップを図ります。
東京都内の統合に関しては、トヨタによると「併売効果が出て、売り上げは伸びている」といいます。今後は、新車販売以外のサービス領域でどれだけの成果が出せるかがポイントです。
自動車会社にとって開発部門やサプライヤーは製造において重要な部門ですが、その川下である販売店とそこに連なる整備・修理部門は、先人が築いた大きな遺産です。
トヨタの豊田章男社長は、日頃から「トヨタのクルマは、コモディティ化しない(させない)」と語っていますが、その真逆ともいえるトヨタの販売店統合において、成功のためにはその“遺産”を生かせるかどうかにかかっているといえます。
hisマークイットの2040年の自動車販売台数に関するの出典元を教えていただきたいです。
とても興味深い内容なので海外の動向も含めどう予測楽されてるか知りたいため。