日産の一時代を支えた名機! L型エンジンを搭載した車5選
記念すべき国産車初のターボエンジンはL型だった
●セドリック/グロリアターボ(430型)【L20ET型】
1960年に登場したセドリックは、日産を代表する高級セダンです。1965年にモデルチェンジした2代目では「スペシャル6」に2リッター直列6気筒の「L20型」エンジンを初めて搭載。
3代目からは「グロリア」と兄弟車となり、1979年に登場した5代目では、日本車で初となるターボエンジン搭載車が発売されました。
「セドリック/グロリアターボ」に搭載された、2リッター直列6気筒ターボ「L20ET型」(Eはインジェクション、Tはターボ装着の意味)エンジンは、最高出力145馬力を発揮。5ナンバー車ながら3ナンバー車並の高出力を得ていたことで大ヒットします。
ただし、最高出力は2.8リッター車に並んだとはいえ、ターボの過給圧が上がっていない状態ではアクセルを踏み込み気味になってしまうことから、市街地の実燃費は2.8リッターエンジン搭載車よりも悪化したといいます。
そして、1980年代は日産のみならず各社からターボエンジン車が登場し、一気に普及しました。
●ダットサン280ZX turbo(HLS130型)【L28ET型】
1969年にデビューした「フェアレディZ」は、美しいデザインと高い走行性能で、国内はもちろん海外でも人気車種となりました。
1978年には2代目にモデルチェンジされ、初代からのロングノーズとコンパクトなキャビンスペースを継承。トップグレードには2.8リッター直列6気筒「L28E型」エンジンを搭載し、より上質なクルマに仕上げられていました。
一方で、海外市場ではより高性能なモデルのニーズが高まり、1982年に輸出専用車として2.8リッター直列6気筒ターボ「L28ET型」エンジンを搭載した、ダットサン「280ZX turbo」が登場。
当初、3速ATしか用意されなかった北米仕様でも最高速度は200km/hを超え、欧州仕様では最高出力200馬力を誇りました。
L28ET型エンジンはL型エンジンの最終進化形とまでいわれましたが、日本では正規に販売されることがなく、僅かな台数の280ZX turboが逆輸入のかたちで日本に上陸したのみです。
現在でも280ZX turboは、最後のL型エンジンを搭載した高性能スポーツカーとして、アメリカでは絶大な人気を誇っています。
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L型エンジンはOHC2バルブという、本来は高出力化には向かないレイアウトのエンジンでしたが、改良が重ねられたことで、日産のミドルクラス以上のクルマを支えるエンジンとして長年活用されました。
また、高度なチューニングによっては大出力を得ることができ、耐久性の高さにも定評があったため、レースやラリーでも活躍して好成績を収めます。
そして、シンプルな構造からプライベートでチューニングをおこなう愛好家からも評価が高く、L型は生産終了後も名機として長く愛されました。
日産のL型エンジン、殊に2リッター6気筒のL20型エンジンは当たり外れが天文学的に激しかったと聞いている。
排ガス規制時代の51/53年規制NAPSのL20Eなど、スカイライン2000GT-ES(ジャパン)に話を絞っても0-400m加速が17.7secと当時の国際水準で「BMW520/サーブ99/シトロエンCX2400もご用心」というものから「サニー1200とどっこい」の19.3secというものまでピンキリの差があったのは記憶に新しい。
なんたって330型セドリック、2000SGL-Eでは130psの3速ATで最高速は140km/hを超えれば御の字というのが定石だったはずがさる知り合いの談では「俺のセドリックは奇跡的に当たりの個体だった、公道外某所にて3速Dレンジでレッドゾーンを超えて7100rpm!!!!まで回り、最高速はメーター180(実測170内外)に平地で届いた」そうで、1.5トンを2.0リッター自然吸気で引っ張るにしては卓越した性能(同時期のボルボ244GL 2.1リッターをもリード)だったのはシャッポを脱がされたというか、狐につままれた感覚というか…。