親や祖父母が子どもを轢く悲劇…家族間で起こるクルマのトラブルはどう対処?

クルマを保有するパターンとして、子どもから祖父母まで幅広い年代を乗せるファミリーカーを保有することや、成人した子どもと家族で複数台を保有するなど、さまざまな状況がありますが、クルマにまつわるトラブルに家族間で巻き込まれると、重いダメージを負ったり、家族の関係も壊れかねません。クルマにまつわる家族間でのトラブルには、世代ごとにどのようなものがあるのでしょうか。

クルマにまつわる家族間のトラブルにはどんなものがある?

 クルマを保有するパターンとして、小さな子どもから祖父母まで大人数を乗せられるようなファミリーカーを保有したり、子どもが成人していると家族で複数台を保有したりするなど、さまざまな状況が考えられます。

 しかし、家族間でのクルマにまつわるトラブルに巻き込まれてしまうと、その後にダメージを負ったり、嫌な思いをしてしまうものです。家族間でのクルマにまつわるトラブルには、世代ごとにどのようなものがあるのでしょうか。

事故も家族間のクルマにまつわるトラブルのひとつ(画像はイメージ)
事故も家族間のクルマにまつわるトラブルのひとつ(画像はイメージ)

 家族に高齢者がいる場合、まず気をつけなければならないのが、高齢者によるペダルの踏み間違い問題です。

 公益財団法人 交通事故総合分析センター(イタルダ)によると、高齢者ドライバー(65歳以上の4輪免許保有者)の数は、2006年の約940万人から、2016年には約1706万人へと約2倍に増加しており、ペダルの踏み間違いはそれに伴って表面化してきた問題と考えられます。

 実際に、2019年版(令和元年版)の内閣府交通安全白書によると、ペダルの踏み間違いが原因とみられる死亡事故の割合は、74歳以下では1.1%に対し、75歳以上では5.4%と5倍近く跳ね上がると報告されています。

 この問題に関しては、新型車を中心に予防安全装置の採用が進んでいるほか、現在「ペダル踏み間違え時加速抑制装置」など、後付けにも対応した対策部品が開発されており、今後さらなる普及が見込まれています。

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 次に、親子同士などの関係で、クルマを複数持っている状態を考えます。

 クルマを所有し運転する以上、ほとんどの人が任意保険に加入していると思いますが、細かい「約款」に記載されている「免責事項」を読んでいない人も多いでしょう。しかし、そこに思わぬ盲点があるのはご存知でしょうか。

 たとえば、親子同士でクルマ2台を所有していて、両方(または片方)が自動車保険に入っていたとします(対物補償付き)。

 しかし、その2台がたまたま運悪くぶつかってしまっても、じつは免責によって、自動車保険の対物補償がおりない場合も、なかにはあるのです。

 その理由について、 自動車保険会社で事故対応の経験を持つ担当者に話を聞いたところ、次のように話します。

「賠償責任保険は、被保険者が賠償責任を負担することによって生じた損害に対して保険金を支払うものです。

 しかし、親子、夫婦という密接な関係にあり、経済的な共同体の内部に一緒にいるといえる関係の間柄においては、損害賠償はおこなわれないというのが一般的な社会通念としてあります。そのため、約款に記載されている免責として、定められているのです」

 すなわち、「親子、夫婦間はお金(経済的な部分)も一緒に扱っているのが普通だから、その関係の間柄に対する事故には、保険金が支払われません」という考え方が、存在するのです。

 ただし、任意保険に車両保険などを付帯させておけば、補償対象になります。

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