道路にチビ噴水現る!? 雪国ではお馴染みのヤツらの正体とは
北海道や日本海など積雪の多い地域の道を走っていると「これは一体なんだろう?」と思うものがあります。雪が積もった時になるほどと思う、謎の物体の正体に迫ります。
雪国ならではの装置や、数々の凄ウデ技術とは?
毎日のように雪が降る地域において、冬の除雪は避けられないものです。そのため、雪国では定番の除雪対策や関連設備が存在しますが、慣れていない人が見ると驚くものもあります。
謎に満ちた対策方法や設備の正体とは、どのようなものなのでしょうか。
新潟県や石川県などでは常に「消雪パイプ」と呼ばれるものが設置され、冬になると中央分離線などから水が噴出します。これは水で雪を溶かす装置で、スプリンクラーのように周囲に水を撒いていきます。
新潟県長岡市の公式ホームページによると消雪パイプが登場したのは1961年で、現在の消雪パイプは長岡市が発祥の地と説明されています。当時は、雪を水で溶かす発想が常識ではなかったらしく、その効果に地域の人が驚いていた様子が伝えられています。
また、積雪地帯の国道や高速道路には、道路脇にシャッターのようなものが並んでいるといった光景を目にしますが、これは「防雪柵」と呼ばれ、強い横風や吹雪から道路とクルマを守るために設置されています。
北海道から鳥取まで日本各地に見られるほか、ヨーロッパやロシアにも同じようなものがあります。ちなみに、国内にある土木研究機関によると、北海道ではこの防雪柵が延べ300km以上も整備されているとのことです。
さらに、北海道の一部の地域では、地面そのものの温度を上げて路上の雪を溶かす「ロードヒーティング」と呼ばれる装置も存在。
地面のなかにあるものなので実際に見ることはできませんが、雪が積もったほかの場所と比べるとまったくが雪がないためひと目で見分けることができます。
そのほかにも、雪国の道路にはさまざまな工夫が凝らされており、見えないところで人々の生活を助けているのです。
たとえば、道路の脇には白と赤の細長い「スノーポール」と呼ばれるものがあります。雪で地面が見えにくい状況でも道路の境目をわかりやすくしており、夜中や吹雪などで視界不良となった場面で効果を発揮します。
ガードレールに設置されているオレンジ色の丸いレンズや、ライトで反射する中央分離帯のポールもこの仲間で、これらは視線誘導施設とも呼ばれています。
ほかにも、信号機には大きな特徴があります。雪の少ない地域では信号機は横長となっているものが多いですが、雪の多い地域では「縦長」や「極端に平たいLEDタイプ」のものが多く、都市部ではあまり見かけない形をしています。
その理由は、横長では雪の重さによって信号機が折れたり壊れたりする可能性があるため、雪が積もることを避けるためです。
JAF広報部では、雪国での道路事情について以下のように話します。
「消雪パイプなど雪国ならではの設備があることに対する特別な注意はありませんが、寒い地域ですとバッテリーが弱ってしまう傾向があります。雪国ではバッテリー上がりに注意する必要があるでしょう」
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外出することが難しいほど雪が降る地域では、スタッドレスタイヤに交換するといったクルマの冬対策だけではなく、道路や交通設備などインフラにも雪対策が求められます。
クルマが立ち往生しないように定期的な除雪をおこなったり、そのために乗用車より巨大な除雪機が道路を行き交うこともあります。
雪の降らない地域では珍しいと感じるものも、その土地では無いと困ってしまう、当たり前の存在なのです。
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