なぜトヨタ「カローラ」人気再燃? 新型モデルのヒットの裏に脱オジサン車
トヨタの新型「カローラ/カローラツーリング」は、登録車販売台数ランキングで2か月連続の首位に輝いています。かつて、33年もの間で国内新車市場をけん引してきたカローラシリーズは、近年その役目を「プリウス」に譲っていましたが、今回の新型モデルで復権したともいわれています。なぜ、新型カローラシリーズの人気が再燃しているのでしょうか。
久しぶりに「プリウス」を抑えた「カローラ」
2019年9月17日に発売したトヨタ新型「カローラ/カローラツーリング」の販売が好調です。かつてトヨタをけん引していた「カローラシリーズ」が、同社「プリウス」を抜いて2か月連続で首位になっています。
なぜ、新型カローラシリーズの人気が再燃しているのでしょうか。
カローラの初代モデルは、1966年に誕生しています。その後、国内登録車販売台数ランキングにおいて1969年から33年連続で1位を獲得。その後も、2003年から2007年に1位になるなど、トヨタブランドをけん引する存在でした。
しかし、2009年に登場した3代目「プリウス」は、2010年(31万5669台)、2012年(31万7675台)と過去にもあまり例がない年間の販売台数が30万台を超える記録を2度も達成し、「トヨタ=プリウス」「プリウス=ハイブリッド車」といえるほど、世界的に人気なモデルとなったのです。
その間、日本などでカローラは、「カローラアクシオ(セダン)」と「カローラフィールダー(ワゴン)」として販売されていましたが、前述の2019年9月にカローラ(セダン)/カローラツーリング(ワゴン)に車名を変更して、新たに発売されました。
新型カローラシリーズは、初期受注にあたる2019年9月17日から10月16日の1か月で、カローラが約5400台(月販目標台数1700台)、カローラツーリングが約1万3700台(月販目標台数5400台)を受注しています。
また、同時に一部改良がおこなわれたハッチバックタイプの新型「カローラスポーツ」は同期間で約3000台(月販目標台数2300台)を受注し、カローラシリーズ全体で約2万2000台の受注を記録。いずれのボディタイプも月販目標台数を上回る結果となりました。
さらに、登録車販売台数ランキングにおいて、10月(1万1190台)、11月(1万705台)の2か月連続で首位に輝くとともに、2008年11月以来の11年ぶりに月間ランキングで首位になったのです。
なお、プリウスは、同10月は4位(6898台)、同11月は3位(8375台)と、好調な販売台数を保ってはいますが、久しぶりにカローラに軍配があがった形となります。
トヨタは新型カローラシリーズが好評となっている理由について、次のように話します。
「スポーティな外装や上質な走りと乗り心地が好評点となっています。装備面では、ディスプレイオーディオを搭載した、スマートフォンとの連携でより身近になったコネクティッドサービス、そして自転車や夜間の歩行者検知が可能な最新の『Toyota Safety Sense』(全車標準装備)も好評です」
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初期段階のグレード別受注実績では、カローラでは「S」グレードが約4割、カローラツーリングでは、上級グレードの「W×B」が約5割を占めています。
また、カローラシリーズの販売状況について、トヨタの販売店は次のように話します。
「新型カローラシリーズは、従来の40代から50代はもちろんのこと、20代後半から30代のお客さまにもご購入頂いております。
新型車ということもあり、質感・乗り心地・装備・燃費など総合的に高評価を頂いているほか、新型カローラシリーズのデザインが良いという声もあるようです。
また、最近はステーションワゴンタイプの人気が低迷していたといわれていますが、カローラツーリングは、スポーティなスタイル、ワゴンならではの積載性、プリウス並の燃費ということもあり、アクティブなニーズを持つお客さまから支持されています。
なお、2019年12月時点での納期時期は、グレードや色にもよりますが1か月から2か月です。」
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なお、前述の登録車販売台数ランキングの統計方法は、「国産メーカーの同一車名を合算したもの」です。
カローラでは「カローラ+カローラツーリング+カローラスポーツ+カローラアクシオ+カローラフィールダー」、プリウスは「プリウス+プリウスPHV+プリウスα」となります。
そのため、新型カローラシリーズ(一部旧型モデル)がランキングの統計上で優位ではありますが、低迷気味だったカローラブランドが復活したことは事実だといえます。
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