【3000億円でトヨタが世界の有能な人材集め!】トヨタ色無しのトヨタの会社が日本橋になぜできた?

「TRI-AD」新オフィスはトヨタらしからぬ雰囲気?

 TRI-ADのオフィスがあるのは、2019年9月27日にグランドオープンした高層ビル「コレド室町」の16階から20階までの5フロアです。

 20階の受付フロアには、社員食堂や会議施設などが入っているのですが、雰囲気はまるでアメリカのシリコンバレーにあるベンチャー企業のような開放的な雰囲気です。

 日本風な工夫もあって、例えばそれぞれの会議室にはのれんがかかっていて、その奥にはお茶やお団子が用意されています。

 また、靴をぬいで上がる、掘りごたつ式のミーティングルームや、ひとり用のハンモックに揺られてリラックスするスペースなど、正直なところ、ここがトヨタの施設であることを忘れてしまうほどです。

東京・日本橋にあるTRI-AD (トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスド・デベロップメント)の新研究オフィス
東京・日本橋にあるTRI-AD (トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスド・デベロップメント)の新研究オフィス

次に18階に行くと、通路には自律走行型ロボットの「ウイングレット」や物を運ぶ小型ロボットなどが動いています。その奥には、ハニカム(ハチの巣)形状のワーキングスペースがあり、個人での仕事とグループディスカッションを平行しておこなえる環境になっているのが特徴です。

 具体的な作業についても見せてもらいました。レベル3以上の自動運転を想定したコックピットデザイン開発チームでは、VR(バーチャルリアリティ)を使ったシミュレーターについて、20代から30代の外国人スタッフ数人から詳しい説明を受けました。

 その他、DOJO(道場)という社内研修があり、技術から語学まで専門スタッフによる各種プログラムが組まれています。

 現在、TRI-ADは650人体制ですが、今後もさらに世界中から優秀な人材を集めて1200人まで増員する予定だといいます。 

 約3000億円という巨額な投資をおこない、トヨタが新設したTRI-AD。トヨタの理念「モビリティ・フォー・オール(すべての人にモビリティを)」を実現するための「未来への懸け橋」として、日本橋から新たなムーブメントが生まれました。

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。

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