自動ブレーキ義務づけ決定! 高齢者事故増加受け、2021年11月の新車から

2019年12月17日に国土交通省は、近年増加傾向にある高齢運転者による交通事故の削減に向けて、交通安全緊急対策にかかわる車両安全対策の措置方針を公表しました。

新車に衝突被害軽減ブレーキを義務づけ決定

 国土交通省は、近年増加傾向にある高齢運転者による交通事故の削減に向けて、交通安全緊急対策にかかわる車両安全対策の措置方針を2019年12月17日に公表しました。

 具体的な内容としては、世界に先駆け2021年11月以降の国産新型車から段階的に衝突被害軽減ブレーキ(通称自車ブレーキ)を義務付けるほか、既存車への後付けの安全運転支援装置の普及を含む、性能認定制度を2020年4月より開始します。

プリウスにも後付け純正用品で踏み間違え防止システムがつけることができる
プリウスにも後付け純正用品で踏み間違え防止システムがつけることができる

 2019年6月18日に開催された「昨今の事故情勢を踏まえた交通安全対策に関する関係閣僚会議」において「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策」がとりまとめられ、安全運転サポート車の普及を一層促進するための対策等が盛り込まれました。

 これを受けて国土交通省は、同年9月および11月に開催された有識者などによる「車両安全対策検討会」における意見も踏まえながら、安全運転サポート車の普及を一層促進するための各対策等について検討をおこない、措置方針をとりまとめました。

 そのなかで、「衝突被害軽減ブレーキの国内基準策定」については、乗用車などの衝突被害軽減ブレーキに関する国際基準の発効を受けて、2020年1月に国内基準を策定するとしています。

 国土交通大臣の赤羽一嘉氏は、「歩行者も検知して自動でブレーキを作動させる『衝突被害軽減ブレーキ』を世界に先駆けまして、令和3年(2021年)11月より国産新モデルから段階的に義務付けます」とコメントしています。

 また、運転者が「衝突被害軽減ブレーキが作動する」と過信して事故に至ったのではないかと疑われるケースが増加しているといいます。

 衝突被害軽減ブレーキには、機能の限界があり、故障していなくても、状況によっては作動しません。衝突被害軽減ブレーキの作動の有無にかかわらず、安全運転の責任は運転者本人にあります。

 国土交通省が公表したデータでは、「衝突被害軽減ブレーキが作動する」と過信して事故に至ったと疑われる事案(乗用車)は、2017年に72件、2018年は101件、2019年の1月から9月までで80件発生しているようです。

 衝突被害軽減ブレーキは、「カメラ方式」「ミリ波レーダー方式」「赤外線レーザー方式」などの種類があり、車種やシステムにより 作動条件に違いがあります。クルマに備えられた「オーナーズマニュアル」を確認することで自車の種類や作動条件を確認することができます。

 また、衝突被害軽減ブレーキはクルマのカメラやレーダーにより周囲の状況を監視し、衝突のおそれがある場合には衝突警報により運転者にブレーキ操作を促し、それでも運転者がブレーキを操作せず衝突を回避できないと判断される場合に、緊急的にブレーキを作動させる装置です。

 そのため、「衝突警報が頻繁に鳴る→日頃から衝突リスクがある運転をしている」、「衝突被害軽減ブレーキが作動した→衝突被害軽減ブレーキがなければ、衝突していた」と認識し、ドライバー自身の運転を省みることが大切だといえます。

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 また、ペダル踏み間違い急発進抑制装置などの性能認定制度の導入として、ペダル踏み間違い急発進抑制装置および衝突被害軽減ブレーキについて性能認定制度を年度内に創設し、2020年4月から申請受付を開始するとしています。

【画像】自動ブレーキ義務化決定! 最新車にはどんなシステムが付いている?

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