バブルに間に合った! 日産「シルビア」とマツダ「ロードスター」は何が凄かったのか

日本経済破綻の隙間を走り抜けた、マツダ「ロードスター」

 一方、1989年2月のシカゴショーで発表され、米国で先立って「MX-5 ミアータ」という車名で発売されたのが、ユーノス・ロードスター(NA型)です。

ライトウエイトスポーツを再燃させたマツダ「ロードスター」
ライトウエイトスポーツを再燃させたマツダ「ロードスター」

 1978年の第2次オイルショック以降、絶滅危惧種となりかけていたライトウエイト2シーターオープンスポーツとして、世界のファンの期待に応え、マツダが世に送り出したモデルです。国内では1989年の7月にデビューし、発売してすぐに人気車種となりました。

 1980年代半ば以降の世界的な好景気、日本では後に「バブル経済」と呼ばれることになる時代でなければ、デビューは難しかったと思われる特別で貴重なクルマです。

 好景気に湧く日本経済を背景にロードスターは、たちまち大きな反響をもって市場に受け容れられたとされています。

 ボディサイズは、全長3970mm×全幅1675mm×全高1235mm、ホイールベース2265mm。車重は1t未満のコンパクトなボディのフロントフードの下に収まるパワーユニットは、1.6リッター直列4気筒NAエンジンを搭載。

 足回りは、フロントとリアともに不等長アームのダブルウイッシュボーン式サスペンションを採用し、前後ともにスタビライザーが装着されていました。

 ハンドルには、パワーアシスト付きラックアンドピニオン式、ブレーキは4輪ディスクとなり、特段目新しさは無いものの、FRスポーツとして堅実にまとまったモデルです。その乗り味の真骨頂は、スタートしてひとつ交差点を曲がるだけで理解できる「ヒラリ感」でした。

 その後、ロードスターは正常進化を遂げて、現行4代目で原点回帰ともいえるダウンサイジングを敢行しました。

※ ※ ※

 クルマだけに限らず、何かしら成功を遂げるためには「運」という要素は必要不可欠でしょう。今回紹介したシルビアとロードスターは、発売のタイミングが成功へと繋がり、運を手にした2台と言えます。しかし、あれから20年以上、ロードスターは現在も人気車種ですが、シルビアは生産終了と、2台の明暗は大きく分かれてしまいました。

【画像】今でもファンが多い「シルビア」と「ロードスター」を見る!

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1件のコメント

  1. 少しも凄くなんかないね
    普通の事をやっていただけ、言うなら今の業界が普通の事すらできない風潮が問題なだけで大したことはない。
    基本を忘れたら普通にも辿り着けない良い手本です。
    そういう堕落は自社製品の肯定から始まっていくので次の世代には何も伝えられませんよね、だから昔の車が凄く思えるだけで単なる普通なんですよ
    別に普通が悪いのではなく、変えられないことと変わらないことゴッチャにしている今の車作りが問題なんですよ
    何かと新型に剛性アップの話は定食の味噌汁のように当たり前に付いてくる話になってますが、意味の無い場所の剛性を高めてばかりでは買う人にしてみれば成果の上がらぬ医療に無駄な費用を投資するのと同じですからね
    車はちゃんと作ればちゃんと走ってくれるんですよ
    トルク配分とか目に見えずに感じにくい物を数字で売りにするなら剛性の配分もしっかりお願いしたいですよね
    昔の車はこれらが普通にできた車なだけなんですよ
    バンパーは飾りと化し曲線が美しいと言うまやかしに酔ってはスポーツカーを見事に勘違いしている自動車評論家とか?
    ピーマン食えない料理評論家と同じですね

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