「人間 vs ロボット」燃費が良いのはどっち? 日産「プロパイロット2.0」で試してみた
日々進化する先進安全装備のなかでも、世界初の同一車線内でハンズオフを実現した日産の「プロパイロット2.0」が注目されます。自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロールなどを搭載した最先端システムを用いた走行は、人間が運転するよりも燃費が良くなるのでしょうか。実際に試してみました。
人間とクルマ、どちらが優秀? 高速道路燃費対決
ここ数年で目覚ましい進歩を見せている先進安全装備。衝突被害軽減ブレーキや踏み間違え防止のアシスト機能など、万が一のヒューマンエラーをカバーしてくれるものから、単調な高速道路の走行や渋滞などで真価を発揮する追従型クルーズコントロールなど、より快適なドライブのお手伝いをしてくれるものまでさまざまなものが登場しています。
なかでもクルーズコントロール機能の進化は目を見張るものがあり、当初はアクセルを踏まなくても設定した速度をキープできる程度のものでしたが、その後、前方車両に合わせて加減速をしてくれるタイプが登場。いまでは一部の条件下でステアリングのアシストまでしてくれるものまであります。
数あるクルーズコントロールのなかでも、注目されるのは日産の「プロパイロット2.0」です。プロパイロット2.0は、ドライバーが直ちにハンドルを確実に操作できる状況下において高速道路の同一車線内でのハンズオフ(手放し)を実現。
加えて、ナビゲーションと連動して車線変更もおこなってくれるなど、夢の自動運転にまた一歩近づいたといえるでしょう。
綿密にクルマをコントロールしてくれるプロパイロット2.0では、燃費性能も人間が運転したときよりも優れているのでしょうか。
そこで、人間が運転した場合とプロパイロット2.0を用いて走行した場合の燃費の違いをチェックすべく、同システムを搭載した「スカイライン GT タイプSP( ハイブリッド)」を用いて実際に走行テストをおこないました。
走行するコースは、人間が運転するときも、プロパイロット2.0に任せるときも、全く同じ道のりを走行。横浜新道の戸塚PA(上り)を出発し、首都高からアクアラインを経由して海ほたるPAに入り、そこでUターンしてアクアラインから首都高、そして横浜新道を経由して戸塚PA(下り)へ戻るというおよそ85km弱の距離を走りました。
なお、走行モードはどちらも「STANDARD」、エアコンは24度設定のフルオートで、走行中にマニュアルモードでの変速はしないものとしました。また、プロパイロット2.0の結果を意識しないように、先に人間の走行による燃費テストを実施し、続いてプロパイロット2.0を使用してテストしました。
また、プロパイロット2.0は走行する道路の制限速度から+10km/hまでしか設定ができず、実際の交通の流れと速度の乖離が大きいシーンもありましたが、公平を期すために人間の走行でも同程度の速度を維持することにしています。
どちらも83.4kmを走行し、人間による走行では燃費が21.1km/Lに対し、プロパイロット2.0による走行では燃費が19.9km/Lでした。わずか1.2km/Lという僅差ながら、人間が運転した方が好記録をマークする結果となりました。
スカイライン ハイブリッドのJC08モード燃費は14.4km/Lなので、プロパイロット2.0での19.9km/Lという今回の数値も驚異的であるといえます。ハイブリッド仕様とはいえ、システム最高出力268kW(364馬力)を誇り、1840kgの車重と19インチのタイヤホイールを装着しているモデルにもかかわらず、低燃費を記録しました。
なお、危惧していた速度ですが、人間による走行もプロパイロット2.0を使用した走行も、奇跡的に平均速度は66km/hと全く同じ数値になりました。厳密に同条件で走行したとはいえませんが、限りなく近い条件で走行した結果、人間が運転した方が燃費が良くなりました。
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