ダウンサイジングターボに限界はある? 小排気量でもハイパワー化は可能なのか?

ハイパフォーマンスカーの世界でも進むエンジンのダウンサイジング化。環境性能のみならず、運動性能の向上にも寄与するなど、意外な恩恵もあります。電動化が叫ばれる昨今ですが、内燃機関のダウンサイジングターボは、今後も一層進むのでしょうか。

ハイパフォーマンスカーでも、ダウンサイジングターボがトレンドに

 クルマの電動化が話題になる昨今ですが、現時点では電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)よりも、内燃機関であるガソリンエンジン搭載車が多いのが実情です。

 ガソリンエンジンやディーゼルエンジンはすでに成熟した技術であることから、今後飛躍的な性能向上は考えにくいとされていますが、時代に合わせて進化し続けています。そのひとつが、2010年頃から欧州車を中心に増え続けている「ダウンサイジングエンジン」という技術です。

ダウンサイジングエンジンのハシリともいえるのがVWの「TSI」。2006年に登場したゴルフGT TSIがその始まりだった
ダウンサイジングエンジンのハシリともいえるのがVWの「TSI」。2006年に登場したゴルフGT TSIがその始まりだった

 ダウンサイジング化とは、エンジンに過給器(ターボ/スーパーチャージャー)を搭載することで、これまでよりも小排気量でも十分なパワーを持たせるというものです。排気量が小さいぶん環境性能もよく、一方でパワー不足を感じさせないのが特徴です。

 これまでも過給器でパワーを補うという発想はありましたが、ターボの特性上、パワーが発生するまでに時間差が生じてしまうことから出力向上がおもな目的でした。

 しかし、近年では技術的な進歩もあり、ターボラグがほとんどなく、かつ低回転域からしっかり過給するということが可能になったため、コンパクトカーなどでのダウンサイジングターボの採用も増えてきました。

 低排気量化にともない、気筒数も3気筒や4気筒というものが多くなります。なかにはフィアットの「ツインエア」エンジンのように、2気筒のものまで登場するようになりました。一般的に、気筒数が少なくなると振動が多くなりますが、制振技術の進化によって実用に耐えられることほどになりました。

 ダウンサイジングターボの例は無数にあります。前出の900ccという低排気量2気筒エンジンを搭載したフィアットのツインエアのほかフォルクスワーゲンのTSIなど、枚挙にいとまがありません。かつては直列6気筒エンジンが代表格であったBMW3シリーズにも、現在は1.5リッター3気筒エンジンモデルが用意されています。

 ハイパフォーマンスカーにも、ダウンサイジングターボの波が押し寄せています。たとえば、メルセデスの高性能車であるAMGでは、かつては6.3リッターV型8気筒エンジンが主力でしたが、現在のメルセデスAMGでは4リッターV型8気筒ツインターボが主流となっています。

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