「アメ車」は意外と売れている!? 独自のスタイルを貫くアメ車が人気な理由とは
最近のアメ車はダウンサイジング化が進んでいる?
ジープを筆頭に、意外と販売台数が多いアメ車ですが、その人気について前出の元編集者は以下のように分析します。
――アメ車の魅力は、どのような点なのでしょうか。
「アメ車は年代やジャンルを問わず、まんべんなく人気があります。旧車系、ちょっと新しめのカスタム系、SUV・ピックアップ系、スポーツカー系の大きく4つに分けられます。
何といっても存在感のあるスタイリングが人気です。アメ車には、『カッコイイ!』『スゲー!』と思わせる魅力があるのです。
また、広大なアメリカ大陸を長距離走行するのにも楽な大きさの車体や、排気量の大きさも重要です。『細かいことは良いんだよ』とでもいいたくなる大らかさがあり、多目的に使えることです」
――最近はエコ意識の高まりもあり、ボディサイズも排気量もダウンサイジングする傾向がありますが、大排気量エンジンを搭載するアメ車は時代に逆行しているのでしょうか。
「もちろんアメ車でも、最新モデルはエコ化が進んでいます。ジープ躍進の陰には、コンパクトなモデルや小排気量エンジンの登場があります。
また、2リッター4気筒ターボのシボレー『カマロ』は、国産のトヨタ『86』と同じ自動車税額でアメリカンスポーツを楽しめると評判です。
日本の自動車税は排気量が大きくなるほど高額になるので、大排気量エンジンを搭載するアメ車を所有するのはハードルが高いと思われていますが、ダウンサイジングエンジンを搭載したモデルもあるのです」
――コンパクト、あるいは小排気量ではアメ車の魅力と相反するように思えますが、今後の人気はそうした新しいアメ車に移っていくのでしょうか。
「存在感のあるスタイリングや大らかさは変わらずあるので、コンパクトでもアメ車らしさは存分にあると思います。
それに、昔からV型8気筒エンジンを搭載しているモデルには、いまでもたいていはV8搭載グレードが用意されています。
カマロにしても、ジープ『グランドチェロキー』にしても、6リッターオーバーのV型8気筒OHVグレードも正規輸入されており、エコというトレンドや近代化を取り入れつつも、流されてしまっているわけではありません。
これからのことは分かりませんが、現在でもアメ車はまんべんなく人気があります。そして、現状それぞれの人気はそのままに、エコな最新モデルは新しい層を開拓していくだろうと推測されています」
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アメ車は日本で売れていないように思われていますが、メルセデス・ベンツやBMW、フォルクスワーゲン、アウディなどドイツ車が群を抜いているだけで、イギリス車やイタリア車よりもアメ車の販売数の方が多かったりします。
大きな車体や余裕のある排気量、個性的なスタイリングなど、「自由」や「憧れ」を大切にしていることが、アメ車人気の理由といえそうです。
そもそものアメ車の大排気量で大サイズな車輌は、やっぱり狭い日本や欧州では敬遠されがちでしょうね。
それでも個性的という部分には根強いファンはいる訳で、日本の様な、没個性でみんなと一緒、が好まれる文化には根づきにくい部分はあるのかもしれませんね。
とは言え、この国でも最近は多様化が進んではいるわけで、国産のつまらない車ばかりの現状に、アメ車や海外の中古車を選ぶ人も増えている様ですね。