「アメ車」は意外と売れている!? 独自のスタイルを貫くアメ車が人気な理由とは
「アメ車は日本で売れない」といわれていますが、じつは日本でも意外と人気があるのです。昨今のアメ車の現状は、どのようになっているのでしょうか。実際の販売台数や人気の理由など、アメ車について迫ります。
アメ車が売れていないは間違い? 昨今のアメ車人気を支えているのはジープ
アメリカのトランプ大統領が「日本でアメ車が売れていない」とコメントしていますが、これは政治的な駆け引きが含まれており、トヨタやホンダなどの日本車メーカーの工場を誘致し米国内の雇用促進を狙ったものだとしばしば解説されています。
日本では本当にアメ車が売れていないのでしょうか。実際の販売状況を調べてみました。
「アメ車」とは「アメリカ車」の略称で、アメリカの自動車メーカーのクルマを指します。かつてはアメリカで生産されたクルマのことを意味していましたが、どのメーカーも世界各地に工場を持つようになり、生産国を基準にカテゴライズするのは無意味と考えられるようになりました。
その結果、いまではメーカーが本社を置く国が基準となり、アメ車とはシボレー、キャデラックなどのブランドを展開するGM、フォード、クライスラーといったビッグスリーのクルマを指し、電気自動車メーカーのテスラなども含まれます。
ここ数年の日本におけるアメ車の状況といえば、2011年のダッジに続き、2016年下半期限りでのフォード撤退など、残念なニュースが多い印象です。
しかし、日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した2019年度上半期(2019年4月から10月)の輸入車新規登録台数では、アメ車は約9000台を記録。この数字にはテスラは含まれていないため、実際のアメ車の新規登録は合計1万台近いとされています。
アメ車は「売れていない」といわれていながらも、アメ車全体では日本で人気のスウェーデン車であるボルボと同じレベルの販売実績を残しているのです。
こうした状況について、アメ車専門誌の元編集者は次のように説明します。
「このような統計は、新車の販売台数ではなく、あくまでも新規登録台数で、並行輸入車を含んでいます。中古車を輸入して日本で新たにナンバーを付けてもカウントされるので、正規輸入車がほとんどとなるボルボと比べると、新車としてのアメ車はそこまで売れていないと思われます。
とはいえ、半年間で販売された約9000台のアメ車のうち、数字の約8割が『ジープ』が占めています。ジープは日本へ導入している車種ラインナップやグレードが充実していることもあって、登録のほとんどが正規輸入の新車になります。
新規登録台数がジープより多いのは、ポルシェを除くドイツ車とボルボだけです。ジープは、プジョーやルノー、アルファロメオなどよりもランキングが上になる人気ブランドなのです」
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1941年に誕生したジープは、アメリカ陸軍の軍用車を開発したことに端を発しています。いまではFCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)の傘下となり、SUVに特化したブランドとして知られています。
現在日本で販売されているモデルは、「ラングラー」「グランドチェロキー」「チェロキー」「レネゲード」「コンパス」で、いずれも四輪駆動車として卓越した走行性能を誇ります。
そもそものアメ車の大排気量で大サイズな車輌は、やっぱり狭い日本や欧州では敬遠されがちでしょうね。
それでも個性的という部分には根強いファンはいる訳で、日本の様な、没個性でみんなと一緒、が好まれる文化には根づきにくい部分はあるのかもしれませんね。
とは言え、この国でも最近は多様化が進んではいるわけで、国産のつまらない車ばかりの現状に、アメ車や海外の中古車を選ぶ人も増えている様ですね。