走る伝説! ランボルギーニ「カウンタック」は本当に時速300キロも出たのか
時代はスーパーカーブーム、みんなで作り上げた夢の「300km/h」
スーパーカーと「300km/h」という数字について、ある自動車愛好家は次のように語ります。
「カウンタックが300km/hオーバーかどうかにこだわるというのは、日本特有の現象だと思います。それはカウンタックが登場した1970年代、日本ではスーパーカーブームが巻き起こっていたからです。
ランボルギーニの唯一にして永遠のライバルであるフェラーリ、そしてポルシェやロータスといったほかのクルマたち。そのどれが最も速いかが、子どもたちの注目の的でした」

「当然、実際に比較テストのようなことはできません。だから、メーカーや自動車メディアが提示する数値を信じるしかなかったのです。
とはいえ、カウンタックは、誰もが300km/hオーバーを疑わないほどのスタイリングを持っていたので、スーパーカーファンたちは大いに沸き立ったのだと思います。
また、自動車メディアの影響も大きかったと思います。スーパーカーブームの時代からバブルの頃まで、とても多くの自動車雑誌がありましたが、そのなかにはプロ野球の選手名鑑のように、あらゆるモデルのスペックを並べたものもありました。
そこには、後期のカウンタックのライバルであったフェラーリ『テスタロッサ』の最高速度が300km/hと書かれているものもあったようですが、いま思えばどれだけ信憑性があったのかはわかりません。ただし、そこに夢を感じた子どもたちが多かったのは事実でしょう」(前出の自動車愛好家)
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結局のところ、300km/hという数字は、スーパーカーファンたちと自動車メディア、そしてランボルギーニが作り上げた幻想だったのかもしれません。
現在では、優良誤認表示や虚偽記載となってしまう可能性もあるため、そういった形で夢を持たせることは現実的には難しいですが、少しだけ寂しく思うのも事実です。
しかし、改めてランボルギーニのグローバルサイトにあるチャットボットに、カウンタックの最高速度について尋ねてみたところ、次のような返事が返ってきました。
「The top speed of Countach is more than 315 km/h.(カウンタックの最高速度は315km/h以上です)」
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。













