流行りの「LEDヘッドライト」は雪に弱い? 冬にまつわるクルマのトラブル事情とは
最近のクルマは、「LEDヘッドライト」を採用していることがあります。LEDライトは、長寿命かつ省電力のために従来使われていたハロゲンランプやHIDの代わりとして普及しつつあります。しかし、LEDライトにも苦手なものがありました。それは一体何なのでしょうか。
流行りの「LEDヘッドライト」は雪に弱い?
最近のクルマのヘッドライトは、それまで主流であったハロゲンライトやHID(キセノンライト)から、LEDライトを採用する車種が増えました。LEDライトは、消費電力が少ないことや視認性が高いだけでなく、ドレスアップとしての要素もあり、人気が高まっているためです。
しかし、LEDライトには「冬に弱い」という弱点があります。なぜ、LEDライトは冬に弱いといわれるのでしょうか。
LEDライトが冬に弱いといわれる理由は、バルブから発せられる「熱」の違いが関係しています。
ハロゲンライトは発熱量が多いため、点灯後は素手では触れられないほど高温になり、ヘッドライト本体も温められます。
そのため、ヘッドライトの上に雪が積もっても熱で溶かしてくれるメリットがありました。しかし、LEDライトは発熱量が少ないため、雪が積もってしまった場合には溶かすことができず、視界がどんどん暗くなってしまいます。
吹雪の際には、走行中にもヘッドライトに雪が積もるため、駐車して除雪する必要があるのです。もし、自身のクルマがLEDライトの場合は、雪対策を忘れないようにしましょう。
降雪時のLEDライトについて、北海道で中古車整備業を営むH氏は次のように話します。
「LEDヘッドライトは、水分が少ない雪であれば問題は無いようですが、水分を多く含んだみぞれなどの場合では走行しているとレンズカバー部分に付着し、ライト自体の光量が減少する可能性があります。
メーカーや車種によって、LEDヘッドライトを採用している場合は、ヘッドライトウォッシャーを搭載しているものもあり、その場合は、それを作動させることで付着した雪を取り除くことができます」
※ ※ ※
また、冬のウォッシャー関連のトラブルとして、ウォッシャー液やクーラント液の凍結が挙げられます。本来、クルマに使用されているウォッシャー液やクーラント液は、添加剤が入っているため通常は凍りにくい状態です。
しかし、日常点検などで、水や濃度の薄い液体を補充すると本来の性能を発揮できず、タンク内や配管内で凍ってしまうケースが考えられます。
ウォッシャー液が凍ってしまうと、ガラスが視界不良の場合にウォッシャー液が出せず、安全な視界を確保することができません。また、クーラント液が凍ってしまうとエンジン内部を循環することができずオーバーヒートの原因となる可能性があります。
ウォッシャー液は、原液であれば-40度まで凍結することはないのでそのまま使用可能です。クーラント液は、濃度計を使用し測定します。
一般的なクルマは30%の濃度で使用されており、凍結温度は-10度前後です。50%では凍結温度が-36度前後になるため、気温が低い環境で使用する場合は50%前後にしておくとよいでしょう。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。