スーパーカーへの憧れだった!? リトラクタブルヘッドライトを広めた昭和50年代の車5選

ヘッドライトを点灯すると開くリトラクタブルヘッドライトが、スポーツカーの証だった時代がありました。スポーティな外観を演出するアイテムとして、昭和の時代に一気に普及したスタイルです。そこで、現行車種では皆無となったリトラクタブルヘッドライトで一世を風靡した国産車5車種をピックアップして紹介します。

「隠しライト」とも呼ばれたリトラクタブルヘッドライトを採用したクルマたち

 1970年代の日本で、小中学生を中心にスーパーカーブームが起こりました。子どもたちが熱狂した車種といえばランボルギーニ「カウンタック」とフェラーリ「365GT4 BB」です。

 両車ともスーパーカーならではの高い動力性能を持ち、空気を切り裂くようなクサビ型のボディに格納式のヘッドライトである「リトラクタブルヘッドライト」を採用していました。

 空気抵抗を低減させる策として登場したリトラクタブルヘッドライトは、当時、高性能車の証ともいえるもので、国産メーカーも続々と採用したのです。

 そこで、リトラクタブルヘッドライトが普及した昭和50年代(1975年から1984年)の国産車を、5車種ピックアップして紹介します。

●マツダ「サバンナRX-7」

低いボンネットでスポーツカーの王道を行くデザインのマツダ「サバンナRX-7」
低いボンネットでスポーツカーの王道を行くデザインのマツダ「サバンナRX-7」

 1978年デビューのマツダ「サバンナRX-7(SA22C型)」は、ロータリーエンジンのコンパクトさを活かした低いボンネットと、その先端に配置されたリトラクタブルヘッドライトが特徴的なクルマです。

 リアの回り込んだグラスハッチとあわせて、誰が見てもスポーツカーらしいといえるスタイルでした。

 コーナリング性能を推し量るのに重要な前後重量配分も50:50に近く、この重量バランスをオーソドックスなFRレイアウトのシャシで実現したことは、当時のクルマとして驚異的なことだったといいます。

 1979年に海外でも発売されたサバンナRX-7は数々のレースで好成績を残し、アメリカではその速さから「ロータリーロケット」と称賛されました。

 1983年には国内モデルにターボ仕様が加わって動力性能も第一級のスポーツカーとなり、1985年に次世代のFC3S型へバトンタッチします。

 国産車初のリトラクタブルヘッドライト車はトヨタ「2000GT」でしたが、サバンナRX-7は日本でリトラクタブルヘッドライトを普及させた最初のクルマといえるでしょう。

●トヨタ「セリカXX」

ロングノーズが印象的なトヨタ「セリカXX」
ロングノーズが印象的なトヨタ「セリカXX」

 1981年に登場した2代目トヨタ「セリカXX 2800GT」は、初代「ソアラ」と同じ2.8リッター直列6気筒DOHC「5M-GEU型」エンジンを搭載したGTカーです。

 セリカXXは北米市場を意識したセリカの上級車種で、初代はラグジュアリーなスペシャルティカーとしてデビューしましたが、スペシャルティカーの座をソアラに譲り、2代目では走行性能を重視しました。

 外観のデザインは直線基調の3ドアハッチバックで、空力性能を意識したリトラクタブルヘッドライトを採用。実際の動力性能もさることながら、見た目もスポーティさが強調されています。

 トヨタ2000GTの再来といわれたセリカXX 2800GTですが、当時、年間8万円超の自動車税を捻出できる人は限られており、金銭的に余裕のある年配のオーナーがほとんどでした。

 しかし、1982年に2リッター直列6気筒DOHC24バルブの「1G-GEU型」エンジンを搭載したグレード「2000GT」が発売されると、若者から絶大な支持を得て販売台数を伸ばし、街なかでリトラクタブルヘッドライトを見る機会が一気に増えたほどです。

●三菱「スタリオン」

鋭角なデザインが斬新だった三菱「スタリオン」
鋭角なデザインが斬新だった三菱「スタリオン」

 1982年発売の三菱「スタリオン」は、1970年代後半にデビューしたスペシャルティカー「ギャランΛ(ラムダ)」と、若者を中心に人気があった3ドアクーペ「ランサーセレステ」を統合するかたちで登場しました。

 直線基調のボディのノーズにリトラクタブルヘッドライトを備えたスタイリッシュなフォルムによって、とくに欧米で人気を獲得。

 当初、トップグレードのエンジンはギャランΛと同じ2リッター直列4気筒SOHCターボ「G63B型」で、動力性能は標準的でしたが、スペシャルティカーからスポーツカーへのイメージチェンジに成功したといえます。

 デビュー後の改良ではターボモデルに国産車初のインタークーラーが装着され、「シリウスDASH3×2」と名づけられた可変バルブ機構エンジン搭載車を追加。1988年には輸出仕様と同じ2.6リッターターボエンジン搭載車「GSR-VR」が発売されました。

 GSR-VRのボディはブリスターフェンダーが標準で、迫力あるフォルムが話題となりますが、日本での販売は苦戦したため、1990年に後継の「GTO」へバトンタッチすることで生産を終えます。

 かつてスタリオンは、ジャッキー・チェンが出演した映画「キャノンボール」に登場することでハリウッドデビューを果たし、現在も北米では人気の高いクルマです。

【画像】パカパカライトに憧れた! もう作れないリトラクタブルライト(21枚)

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