便利でも「ほぼ自動駐車」機能なぜ使われない? 駐車支援システムが普及しない理由とは

2020年2月に発売されるトヨタ新型「ヤリス」には世界初搭載の機能も含む高度駐車支援システム「アドバンスト パーク」が設定されます。新型ヤリスをはじめ、クルマに搭載される駐車支援システムは日々進化を続けていますが、すべての新車に装備されるほど普及しているわけではありません。いったいなぜなのでしょうか。

新型「ヤリス」に搭載される世界初の駐車システム、ついに普及か?

 クルマの先進装備のなかには、ボタンひとつで“ほぼ自動”で駐車してくれるシステムが存在します。日産の「プロパイロット パーキング」など、自動車メーカー各社で導入が始まっていますが、日常生活の中で実際に使う人が増えている印象はありません。

 なぜ、駐車支援システムは本格的な普及が進まないのでしょうか。

駐車支援システムの技術が進歩する一方、それほど普及が進まない理由とは
駐車支援システムの技術が進歩する一方、それほど普及が進まない理由とは

 筆者(桃田健史)は、駐車支援システムが普及しない理由を知るために、最新型のシステムを体験してみました。

 最新の駐車システムを搭載したクルマは、2020年2月に発売予定のトヨタ新型「ヤリス」です。トヨタ初となる高度な駐車支援システム「アドバンスト パーク」が1.5リッターハイブリッドの全グレードに標準装備されます。

 さらに、世界初の機能として、白線のない駐車場でも事前に駐車位置をシステムに登録することで、ほぼ自動で駐車が可能となります。2019年11月上旬に千葉県内のサーキットでおこなわれた新型ヤリスのメディア向け試乗会場のパドックエリアで体験しました。

 操作の手順としては、まず駐車したい場所の真横にクルマを停めます。距離はだいたい2m以内が目安です。そして駐車支援システムのボタンを押すと、カーナビ表示などが出る画面に後向き駐車か縦列駐車かを選択する表示が出ます。

 後向き駐車を選択してみたところ、ブレーキから足を離すと、自動的にハンドルを切りながら前進して自動で停止。R (後退)にシフトチェンジしてください、という表示が出るので、シフトチェンジしてブレーキから足を離すと自動で後退していきます。

 また、世界初の機能となる白線のない駐車場での使用では、後向き駐車か縦列駐車を選ぶ画面で駐車位置選択をおこない、最終的に自分で駐車枠を登録するだけの簡単操作で済みました。

 使い慣れれば便利に感じるはずの、こうした高度な駐車支援システム。本格的に普及しない理由は、いくつかあると筆者は思います。

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