最新レッカー車の驚きの機能とは? いざという時に頼もしい「働くクルマ」が抱える問題
けん引ではなく「積載」することで高速道路も走れるように
最近では、バイクにも対応したロードサービス車もあります。1BOXタイプの荷室にそのままバイクを積載できるタイプや、車幅が広い大型バイクにも対応したトラックタイプまでラインナップしています。
また、荷台が後方にスライド・地面に設置して故障車を積載できる「セーフティローダー」もありました。
最近ではロードサービスの依頼に「フロント部分をアンダーリフトで持ち上げてけん引するタイプのレッカー車と比べると、クルマをそのまま積むので安心感があるのか、ローダーでの要請が多い」(ロードサービス関係者)そうです。
今後のレッカー車の製作や装備内容について、城南ホールディングスの中村会長に聞いてみました。
「今、アンダーリフトはリアからアームが伸びた状態で運用していますが、今後はそうしたアンダーリフトも全長サイズからなるべく飛び出さないように、折りたたまなければいけないようになるでしょう。恐らく1年から2年先には、そうした法整備がおこなわれるはずです。弊社では折りたたみタイプのアンダーリフトをラインナップしております」。
ロードサービスの今後についても聞いてみました。
じつは、これからのロードサービスに非常に強い危機感を抱いているそうです。というのも、経験がモノをいう職場でもあるにも関わらず、そうした人たちが減っているというのです。
「現場ではベテラン勢が少なくなって困っています。いったん現場に出ると、そのまま長時間対応する場面も多く、労働時間も不規則になってしまうという現状があります。それでは働く人たちがいなくなってしまいます。弊社では、レッカー業務そのものを見直すために『けん引陸送』という新しいコンセプトの車両を開発しました」(中村会長)とのことです。
故障したクルマを積載するために生み出したのが「けん引陸送」というコンセプトです。
クルマを積載するのはセーフティローダーがありますが、それは普通~中型車両に限ってのこと。大型車両にあたってはそもそも、積載できる車両も限られております。
また、積載ではなくレッカー車でけん引すればよいのでは思われますが、現在の法律では故障したクルマをレッカー車でけん引する時は、高速道路(自動車道)走行が禁止となっています。これは高速道路は最低速度が定められており、けん引時だと基準速度に達することができないためです。
一般道ならOKですが、遠方からの車両回送も多く、その場合は現場で働く人たちの拘束時間も長くなってしまいます。
しかし、けん引ではなく車両を積載することで、高速道路を使用して労働時間を短縮。一方で4.1mという高さ制限もクリアしております。
今後は、こうしたけん引陸送のコンセプトの車両がロードサービスの現場に増えていくことになりそうです。
建設機械に詳しくはないのだが。自動車大国のアメリカやドイツ、イタリア、日本ではなく トルコのクレーン会社というのが不思議である。