トヨタ 新型「ヤリス」は世界トップの燃費を実現? 走りもスゴい進化の度合いとは
2020年2月に発売を予定しているトヨタの新型「ヤリス」をサーキットで最速試乗! ヴィッツから大幅に進化した新型ヤリスの実力とはどれほどのものなのでしょうか。
新型ヤリスはどれほど進化した?
トヨタ「ヴィッツ」の後継モデルとして2020年の2月中旬に発売を予定している新型モデルが「ヤリス」です。ヤリスは従来モデルよりも走りに力を入れたモデルだといいますが、どれほどの実力があるのでしょうか。
今回、サーキットで試乗出来たのは、最終段階のプロトタイプ。まず外観デザインを見て感じたのは、躍動感のあるスタイルです。
ほぼ同じタイミングで新型が公開されたライバルのホンダ「フィット」が丸みを帯びた優しい雰囲気なのに対して、ヤリスは鍛え上げた筋肉のような力強さを感じます。
試乗は、最初に1.5リッターガソリンエンジンを組み合わせたハイブリッドモデル。エンジンはもちろん、構成部品単位でみるとハイブリッドシステムも新設計されています。
走り出してすぐ、駐車場内のようなごく低い速度でまず感じたのが、アクセルの反応の良さです。「ツキ」といわれるアクセルオフから軽くアクセルを踏んだ時のクルマの反応がよく、わずかな速度コントロールもしやすいことに驚きました。
従来型のハイブリッド車は、アクセルを踏んだときの反応が鈍く、微妙な速度調整がしづらかったのとはずいぶん対照的です。
もう少し速度を上げていくと、アクセルを踏み込んだときのモーターアシストが強まっていることが伝わってきました。
モーターでググッと押し出されるのがよくわかります。開発者は「モーターのトルクアシストは従来に比べて約30%アップ。中間加速のシステム出力は約16%アップしている」といいます。
従来よりもモーターの活用が増えたことを、実際に走って感じることができました。また、100km/hを超える速度でアクセルをオフしてみると、従来とは異なりエンジンが停止することも確認できました。
高速走行中にも状況に応じてエンジンを止めることで、従来のハイブリッド車が苦手とされてきた高速燃費の向上に効くはずです。
開発責任者の末沢泰謙氏(すえざわやすのり)は、「トータルで20%の燃費アップ(欧州WLTCモード)が目標。高速燃費の向上も新型の狙いのひとつ」とはいいますが、「20%」という数字はとんでもない目標です。
そして、このタイミングで説明するのですから、実現の目処はついたということでしょう。そんな高い目標をサラッといってしまうところが、ヤリスの凄さのひとつと感じました。
最高速度が100km/h 以上に達する一方で30km/h程度まで車速が落ちる場所もある曲がりくねったテストコースを走って強く感じたのは、心地よく走れるということです。
従来のハイブリッド車は、アクセル操作に対する反応や加速フィールが不自然で、燃費は優れていましたが、加速が心地いいとはいえませんでした。
しかし新型ヤリスは、アクセルを踏み込むとまずはエンジン回転が急激に高まってその後車速が伸びるという感覚的に不自然な様子をなくし、同様にアクセル操作してもエンジン回転上昇と車速上昇がリンクして違和感がなくなりました。
その結果、サーキットのような場所でも運転を楽しめるパワートレインへと進化していたのです。これは大きな変化です。
車名変更の理由は「ポークビッツ」というと、英語圏で、粗チンというスラングだからと聞きました。
ヴィツ大好きでハイブリッドにのっています。最近は1ℓ30kmという燃費で走ることも何回かあります。あのまるいやさしい感じで、後姿がキュッとしまってすばらしいかっこうです。圏央道も、湾岸も首都高も、スイスイ走ります。ヤリスはヤリスであってもよいのでは?ヴィッツの名前と良さは残してほしいな。