なぜ中古車は「修復歴」を気にする? 購入時に見極めたい修復箇所とは
中古車選びにおいて重要なポイントとなる「修復歴」ですが、具体的にどのような修復がおこなわれた場合に用いられるのでしょうか。
中古車における修復歴とは、骨格部分の交換履歴を指す
最近では、スマートフォンやパソコンからでもクルマを選べる時代になり、新車はもちろんのこと、中古車まで検索することができます。
中古車選びにおいて重要なポイントとなる修復歴ですが、具体的にどのような修復がおこなわれた場合に「修復歴あり」となるのでしょうか。
インターネット上の中古車検索サイトでは必ずといっていいほど「修復歴の有無」という表示が記載されており、一般的に修復歴のある中古車は懸念される傾向にあります。
まず、中古車販売業者には修復歴の開示が義務付けられています。自動車公正競争規約11条の12条施行規則14条にて、クルマの「骨格部分」で修正や交換をおこなったクルマは、販売時に修復歴のある旨や車両状態を示した書面によって、情報を開示すべきとの記載があります。
クルマの「骨格部分」とは、フレームやピラー、パネル部分などを指します。認定を受けた中古車査定士が査定基準に従っておこない、修復歴のあるクルマは「修復歴車」に認定されます。なお、事故車と混同されやすいですが、必ずしも「修復歴あり=事故車」というわけではありません。
いくつかあるチェックポイントのどこが修復されたかによって、ランク決めもされます。見た目がどんなにキレイに修理されていたとしても、一度修復したクルマはこの世に存在している限り、修復歴ありの扱いとなります。
また、バンパーやドアなどにおいて、軽い接触による破損などを補修や交換のみで済ませ、フレームの損傷がまったく無い場合は「交換歴あり」や「板金歴あり」と呼ばれることがあります。
どこからが「骨格」と呼ぶかについては、溶接接合された箇所、と覚えると良いでしょう。ネジ止めされている部分は骨格部分には該当しません。
修復歴のある中古車について、全国に約500店舗の中古車販売店ガリバーを展開する株式会社IDOMは次のように話します。
――修復歴のあるクルマを購入する際のメリット・デメリットを教えて下さい。
メリットは価格が安いことです。デメリットは、故障のリスクが高まること、メーカーや販売店の保証が適用外になるなど条件が異なる場合があること、などが挙げられます。
――修復されていれば基本的に安全には問題はないのでしょうか。
修復歴のある車両であってもしっかり修理されることによって、走る止まる曲がるの重要機構に修復歴の影響を感じないものが多いです。ただ、損傷の部位やレベル、修理技術にも違いがありますので当然全てに問題ないとはいえません。
大きな損傷を受けていた場合など、ハンドルが思わぬ方向に取られるようなケースがあったり、安全性とは別に雨漏れや遮音性の低下、故障のリスクは高くなるといえます。
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