ネタバレ注意! サンライズと日野がコラボしたアニメで盛り上がる東京モーターショー2019
展示型モーターショーが衰退していく昨今、東京モーターショー2019は新たな展示方法にチャレンジしているブースが目立ちました。そのなかのひとつである日野自動車は、サンライズとコラボしてオリジナルアニメを上映し、プレゼンをVTuberがおこなうという、クールジャパンを意識したものでした。その内容を詳しくご紹介します。
日野とサンライズがコラボして、未来のモビリティをアニメで紹介
クルマを展示するだけのモーターショーは、東京だけでなく先進国を中心にかつての勢いはなくなっています。理由はたくさん考えられますが、クルマを見る目的だけのために足を運んでもらえなくなったということが一因にあげられます。
そこで東京モーターショー2019では、各ドメスティックメーカーが趣向を凝らして、とくに顕著だったのが、東京テレポート駅前の青海展示棟です。時代を反映した趣向を凝らしたブースのなかでも、とくに印象に残ったモビリティコンセプト「FlatFormer」を中心にした日野のブースをご紹介しましょう。
日野はトラックのメーカーですので、出展ブースにトラックを展示すると、それだけでかなりのスペースが必要となります。また、働くクルマは幼い子どもには人気があっても、ステージでおこなうプレゼンテーションに興味を持ってはくれません。大人でもトラックメーカーのプレゼンテーションに関心を持つ人はかなりのマニアだけでしょう。
そこで、日野は自社の企業理念や東京モーターショー2019の出展テーマ「Transporting Every Happiness」をより多くの来場者に訴求するために、アニメーションという手法を選びました。
『君の名は。』、『天気の子』、『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』など、中高生男女が登場するアニメーション映画の人気が高まっていますが、日野は中学生の男女が登場するアニメーションで、来場者の関心を集めていました。
毎時45分に上映されるアニメーションのタイトルは『あの日の心をとらえて』。「日の」と「日野」がかけてあるとすると、観る人に「あのう、日野の心(=企業精神、企業理念)をとらえてください」というメッセージが隠されているのかもしれません。
このアニメーションの監督・脚本は『ラブライブ!』の監督を務めた京極尚彦氏、キャラクター原案は『センコロール』を一人で手掛けて注目を集めた宇木敦哉氏です。声の出演は、内田雄馬氏と内田真礼氏のふたりという豪華キャストです。
制作は『ガンダム』シリーズでお馴染みの、アニメーションで未来を描き続けてきたサンライズです。日野とサンライズがコラボして、モビリティデザインはもとより社会の仕組みに至るまで、近未来の人々の生活を描いています。
作品の上映時間はエンドロールまで含めて7分弱。日野ブースのメインステージに設置された巨大なスクリーンで上映されます。
メインステージに展示されたモビリティコンセプト「FlatFormer」が、劇中のなかでバスや輸送車、移動物販車などとしてさり気なく登場するので、いくつFlatFormerのバリエーションがあるのか探してみるのもいいでしょう。
また、劇中に日野がかつて生産していた「コンテッサ900スプリント」も登場するのでこちらも要注目です。
『あの日の心をとらえて』は、全編で向日葵(ひまわり)がテーマとして扱われます。「日」という一文字が、タイトルの「あの日」と日野の社名ともかけてあるというこだわりようです。
ちなみに、登場人物は流斗(るうと)と美智(みち)のふたり。「route」と「道」からとった名前であることはここで指摘するまでもないでしょう。
作品は「向日葵の花言葉って覚えてる?」という美智の流斗への問いかけでエンディングを迎えます。もちろんこの問いかけはこの作品を観ている人たちへの投げかけでもあります。
向日葵の花言葉は「あなただけを見つめてる」や「未来をみつめて」です。劇中では、美智が流斗をずっと見つめていたという意味での台詞と捉えるのが自然ですが、日野自動車が未来をみつめて提案しているモビリティコンセプト「FlatFormer」も暗示しているのです。
向日葵といえば、大人の身長よりも高く育つ大輪の花を連想しがちですが、劇中に出てくる向日葵は、少し小ぶりのサンリッチという品種のようです。その理由は、大輪の黄色い向日葵の花言葉は「ニセ金持ち」だからです。
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