盗難事件があった「個人間カーシェア」はどういう仕組み? 依然残るリスクや問題点とは
2019年10月に、個人間カーシェアサービスで盗難事件が発生したという報道がありましたが、そもそも個人間カーシェアとはいったいどういうサービスなのでしょうか。さまざまなカーシェアサービスが乱立するいま、それぞれのサービスにはどのような違いがあるのか、そしてそれらのリスクや問題点を解説します。
カーシェア黎明期に急成長するさまざまなサービスの違いは
大阪で「個人間カーシェア盗難が発生」。このニュースが流れて、多くの人が事の詳細を理解できないと思います。
カーシェア(カーシェアリング)といえば、駅前や商店街の駐車場にある、タイムズやオリックスのカーシェア用のクルマを思い浮かべます。近年、カーシェアは日本でもだいぶ定着してきましたが、今回盗難があった「個人間カーシェア」とは、そもそもどういうサービスなのでしょうか。
公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団が2019年6月に発表したデータによると、2019年の日本国内カーシェアの会員総数は約163万人で車両台数は約3万5000台です。10年前の2009年は約6000人/約500台、5年前の2014年には約47万人/1万2000台と、近年になり急速に拡大しています。
では、個人間カーシェアとは、普通のカーシェアと何がどう違うのでしょうか。
まず最初に、カーシェアは大きくふたつに分類されます。ひとつは、自分で運転するシェアリング。貸し手は、企業や自治体などの公共機関、または個人です。
もうひとつは、自分では運転せず、お客として移動する空間をシェアリングするもの。貸し手と借り手という関係は生まれません。一般的に、ライドシェアリングと呼ばれます。
近年、アメリカ発の「Uber(ウーバー)」や「Lyft(リフト)」、また中国発の「DiDi(ディディ)」などのベンチャー企業が急成長している様子を、テレビの経済ニュースなどで見る機会があると思います。
このような個人所有車をライドシェアリングすることは、日本では旅客に関わる法律で「白タク」にあたる禁止行為であり、福祉や交通空白地域などの一部例外を除いて、事業として認められていません。
こうしたさまざまなカーシェア・ライドシェアがあるなかで、今回盗難が問題となった個人間カーシェアは、個人の貸し手から個人がクルマを借りて、自分で運転するタイプのカーシェアです。貸し手と借り手の中間で、ウェブサービスとして事業者がマッチングをおこなうものです。
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