かつては迷車珍車が溢れていた!? ユニークすぎる軽自動車5選
いま、日本で一番売れているクルマといえば軽自動車ですが、多くのモデルにおいて個性という点では控えめな印象です。しかし、かつて販売されていた軽自動車のなかには、とてもユニークなモデルが多数存在していました。そんな「よくぞ作った」と思えるほどの、軽自動車の迷車珍車を5車種ピックアップして紹介します。
かつての軽自動車は迷車珍車ぞろい
日本独自の規格で作られている軽自動車は、黎明期から庶民の足として活躍し、いまでは日本で一番売れるカテゴリーになるほど成長しています。
一方、現在の軽自動車を見ると、多くのモデルにおいて個性という点ではあまり主張していない印象です。
しかし、かつて販売していた軽自動車には、ユニークなモデルが多数存在。そのなかでも、とくに個性的な軽自動車を5車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「バモスホンダ」
ホンダ「バモス」といえば、かつて販売されていたワンボックスタイプの軽乗用車ですが、バモスという名前はリバイバルしたもので、その元となったのは「バモスホンダ」です。
1970年に発売されたバモスホンダは「乗る人のアイデアによって、用途の範囲が無限に拡がるクルマ」として、非常にユニークなデザインとなっています。
ベースとなったのは360cc空冷2気筒エンジンを搭載する軽トラックの「TN360」で、バモスホンダも軽トラックに分類されていました。
バリエーションは、2人乗り、4人乗り、4人乗りフル幌の3タイプで、基本はオープンボディでパネルドアは無く、バータイプのものが装着されているのみです。
シートにはキャンバス製防水シート生地が使われ、スピードメーターとコンビネーションメーターは丸型の防水タイプを採用。フロアの水洗いができるなど、幌を外した状態で不意に雨が降っても大丈夫なように設計されています。
ボディのカラーリングや形状から軍用車をイメージさせ、オフロードも走れる雰囲気がありますが、中身は普通の軽トラックだったので、悪路走破性は高くありませんでした。
軽トラックとしての使い勝手は良好だったようですが、奇抜すぎるデザインで販売面では苦戦し、わずか3年で生産を中止。いまでは現存数の少ない激レアモデルです。
●スズキ「マイティーボーイ」
1977年、スズキはリアエンジンのスポーティな新規格軽乗用車「セルボ」を発売。1982年には2代目にモデルチェンジして、ワゴンタイプとは異なるスタイリッシュなFFの3ドアハッチバックに生まれ変わっています。
この2代目セルボをベースに、ボディ前半のデザインをそのままに、リアを荷台に作り変えた2名乗車のピックアップトラック「マイティーボーイ」が1983年に発売。
マイティーボーイはトラックながら積載能力は一般的な軽トラックに大きく劣りますが、遊び心のあるデザインだったことが当時の若者に支持され、マリンスポーツやレジャー用途にとヒットします。
また、スズキ自らが『マー坊』という愛称を使って宣伝していたこともあり、マー坊として親しまれます。
マイティーボーイはフルモデルチェンジすることなく1988年に生産を終了しましたが、30年以上経ったいまも比較的現存数は多く、中古車店で見ることができます。
●三菱「ブラボー」
世の中にハイト系ワゴンが登場する以前、軽自動車のワゴンといえばワンボックスタイプの商用バンをベースにしたものが主流でした。
三菱「ブラボー」もバンの「ミニキャブ」をベースにしたワゴンで、1991年に発売された「ブラボー MZ-G」は、見た目に似つかわしくないエンジンを搭載していました。
そのエンジンとは660cc直列3気筒DOHC15バルブターボで、3気筒15バルブということは1気筒5バルブです。これはF1のエンジンにも採用された機構で、3本の吸気バルブによって多くの空気を吸い込んでパワーを上げ、高回転化にも有効でした。
市販車で5バルブエンジンを作っていたのは、国内では三菱、トヨタ、ヤマハで、海外ではフェラーリとフォルクスワーゲン、アウディくらいです。
軽ワゴンにこんな高性能エンジンを搭載していた背景としては、当時の三菱車では5バルブが軽自動車用高出力エンジンでは定番の仕様で、「ミニカ」「パジェロミニ」のほか商用車の「タウンボックス」などにも搭載されていました。
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