トヨタでもダメだった? 大ゴケした不人気車5選
トヨタのガルウィング車もダメだった?
●これが日本車?ガルウィング採用の「セラ」

1990年に発売されたトヨタ「セラ」は、東京モーターショーに出展されたコンセプトカーを、ほぼそのまま市販化したコンパクトな4シーター3ドアハッチバックです。
いわゆる「ファンカー(FUN CAR)」として企画・開発されたモデルで、最大の特徴はガルウイングドア(バタフライドアとも呼ばれる)を採用していることです。
シャシは当時販売していたコンパクトカーの「スターレット」をベースとして、ボディをすべて専用にデザインしています。
ボディ上部のほぼすべてにガラスを使用したデザインは「グラッシーキャビン」と呼ばれ、車内から全ての風景を見渡しながらドライブできる夢のようなモデルでした。
しかし、このグラッシーキャビンによって太陽光が直接車内に差し込むことで室内温度が高くなり、さらにガラスの重さが燃費を悪化させ、そして常に周りからの視線にさらされることになるなどの理由から、注目を浴びたものの不人気に終わってしまったようです。
搭載されたエンジンは、「スターレット」よりもひとつ上のクラス1.5リッター直列4気筒エンジンで、最高出力は110馬力を発揮。これはスポーティさだけではなく、ベースよりも約100kgの重量増に対応した結果です。
ガルウイングドアに実用性や必然性はほとんど無いにも関わらず、セラの企画が通ったというのが、いまでは考えられないことです。おそらくバブル景気の真っ最中という背景も関係しているでしょう。
価格は160万円(消費税含まず、5速MT)からとかなり安価で販売され、1994年に販売終了するまで生産台数は約1万5800台とかなり希少なモデルとなっています。
●トヨタ初のCVT搭載「オーパ」
ミニバンでも乗用車でもない、新ジャンルの次世代ミディアム車として2000年に登場したのが「オーパ」です。
当時の日本では、どのカテゴリーにも当てはまらないといわれていましたが、厳密には5ドアハッチバックのジャンルに当てはまるようです。
滑らかな変速ができるCVTと1.8リッターガソリンエンジン搭載の走行性能はセダン感覚であり、広い室内空間はミニバンにも当てはまるため、広いユーザー層に受け入れられると予想されました。
しかし、明確なターゲットを絞らなかったのが仇となり、中途半端な立ち位置のオーパはわずか5年で生産終了となります。
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今回、紹介した以外にも販売不振だったモデルは存在します。モデルによっては、「登場する時代が早すぎた」との声もあり、発売するタイミングの重要性も伺えます。
昨今の国産自動車メーカーは、販売する車種を絞り始めてきているため、今後は確実に売れる画一的なモデルしか発売されない可能性もあり、奇抜なクルマはいま以上に少なくなっていくのかもしれません。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。
















