メーカー純正の後付け「自動ブレーキ」は売りません!? 自動車メーカーが売らない理由とは?
アクセルとブレーキの「ペダル踏み間違い」の事故はあとをたちません。高齢者ドライバーによる事故がクローズアップされ、運転免許の自主返納についてもいろいろと話題になるなか、後付けの「アクセルとブレーキの踏み間違い防止キット」はありますが、自動ブレーキそのものの後付けキットは存在していません。その理由はなんでしょうか。
販売されている後付けキットは「アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置」
最近、全国各地で開催されている「サポカー(安全運転サポートカー)」体験試乗会を取材していて、気になったことがあります。
「こりゃ便利だ。新車には手が届かないが、自治体から補助金も出るなら、私も自動ブレーキの後付けキットを付けてみようか」
体験会の参加者から、こんな感じの言葉を何度も聞きたのです。
この人たちは、大きな勘違いをしています。
「サポカー」に関して、東京都や福井県など一部の自治体から安全機能の後付けキットの補助金が出るのは、停止状態からの誤発進を予防する「アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置」についてです。
一般的に「自動ブレーキ」と呼ばれることが多い、「衝突被害軽減ブレーキ」は補助の対象ではありません。
それどころか、自動車メーカー純正の「衝突被害軽減ブレーキ」後付けキットは、本稿執筆時点の2019年10月時点で存在しません。
さらにいえば、自動車メーカーがこうした後付けキットを発売する計画はまったくない、というのが実情です。
正直なところ、「サポカー」体験試乗会の主催者側の一部にも、こうした「勘違い」があるように見受けられます。
なぜ、自動車メーカーは「アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置」の後付けキットは販売しているのに、「衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)」を売ろうとしないのでしょうか?
当たり前だ!近い将来は踏み間違いが言い逃れだと証明されるからだ