第2世代と呼ばれる日産「スカイラインGT-R」の中古車価格はなぜ高騰しているのか?

もはや「旧車」になりつつある第2世代GT-Rはなぜ高騰した?

 そんなR33型スカイラインGT-Rには、スカイライン生誕40周年を記念してオーテックジャパンが手掛けた4ドアGT-Rこと、「スカイラインGT-Rオーテックバージョン40thアニバーサリー」や、当時のニスモが手掛けたコンプリートカーの「ニスモ400R」など、スペシャルなモデルが造られたことを覚えている人も多いことでしょう。

日産 スカイラン GT-R(R33)
日産 スカイラン GT-R(R33)

 そして1999年1月には第2世代GT-R最後のモデルとなるR34型スカイラインGT-Rが登場。当時はまだ馬力の自主規制があったため、最高出力こそ280馬力のままでしたが、最大トルクはついに40.0kgf・mを達成。名実ともに最強のスカイラインGT-Rとなりました。

 サブメーターもそれまでの3連アナログメーターから、モニターを使用したマルチファンクションディスプレイに変更され、ボディ下部を覆うディフューザーなど、時代の流れに応じて近代化していることを感じさせてくれる仕上がりとなっています。

 2001年には、乗り心地を向上させ上質感をアップさせたGT-Rの新機軸であるMスペックが登場し、GT-Rとしての新たな方向性を模索していることも感じさせてくれました。

 しかし、RB26DETT型エンジンは2000年施行の排出ガス規制に適合できなかったことにより2002年に生産終了。奇しくも第1世代GT-Rと同じ理由で第2世代GT-Rも幕を閉じる結果となったのです。

 第2世代GT-Rが高騰する理由とはなんなのでしょうか。10年くらい前であれば、R32型のスカイラインGT-Rは安いものであれば100万円を余裕で切り、場合によっては50万円台という個体も見つけることができました(もちろん程度はそれなり)。

 しかし時代も流れ、そのような個体は淘汰され、市場に流通する個体は比較的状態の良いものが中心となったのが理由のひとつといえるかもしれません。

 そしてもうひとつの大きな理由は需要の増加です。最近ではニスモがスカイラインGT-Rの復刻部品をリリースするなど、維持しやすい環境が整いつつあることや、当時スカイラインGT-Rに憧れていた世代が、ある程度収入に余裕が出てきたことで、購入を検討するようになったこと。

 さらに、アメリカの25年ルールに代表されるように、海の向こうのユーザーから熱視線が集まるようになったことが挙げられます。

 もともと第2世代GT-Rはごく一部を除き正規輸出はされていないクルマでしたが、プレイステーションのグランツーリスモシリーズなどに代表されるレースゲームや動画共有サービスなどでその存在を知り、いつか欲しいと考えた海外のユーザーも少なくありません。

 アメリカでは正規輸入がされていないクルマを輸入することに対しては非常に高いハードルが課されていますが、生産から25年が経過したクルマに関してはこれが緩和されることもあり、右ハンドル圏だけではなく、アメリカやカナダからも需要が増え、引く手数多というのが現状なのです。

 そのため、国内だけでなく海外からの需要も拡大したことで、その価格は上昇の一途を辿っているというわけです。

 もちろんすでに生産を終了したモデルだけに台数が増えることはありませんから、おそらく今後も相場は上がり続けることでしょう。もし、第2世代GT-Rの購入を検討しているのであれば、早めに行動に移すのがよさそうです。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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1件のコメント

  1. 重機やダンプなど数が足らん車種は新車より高い中古が東日本震災直後には溢れていたけど、そんなもんは中古で取得税を免税するのではなく別の名目で徴収すべきじゃないねかね?、GT-Rとて行く末は消耗品の鉄屑なのだから売買価格によっては課税すべきだろ
    日本の税制は重く燃費の悪い車もハイブリッドと言うだけで重量税を逃れたり、新車価格に迫るような売買契約は放し飼いだったり、そのオハチを何ら関係無い古い車種に難癖を付けるような税金の取り方ばかりなので根本から見直すべきだろ
    こんなんじゃ何時かわはクラウン?GT-Rなんて化石になっても高値の花だろうがよ

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