パワー重視のドッカンターボとは違う? 現代のターボエンジンが小排気量化された理由とは

小排気量エンジン+ターボで燃費とパワーを両立

 パワー重視の時代から、世の中のニーズが環境性能や経済性重視へと変化するにともない、ターボの特性も変わってきました。

1.4リッターのダウンサイジングターボエンジンを搭載したスズキ「スイフトスポーツ」
1.4リッターのダウンサイジングターボエンジンを搭載したスズキ「スイフトスポーツ」

 もともと排気エネルギーを有効活用することを目的として開発されたターボですが、ピークパワーではなく低回転域から過給がかかりやすく扱いやすさを優先させた「マイルドターボ」が注目されていくようになったのです。

 このマイルドターボのトレンドは、2007年にフォルクスワーゲンが「ゴルフ」に搭載した「TSI」エンジンあたりから始まったといえます。TSIは、低回転域用のスーパーチャージャーと高回転域用のターボを搭載するツインチャージャーでしたが、のちにターボチャージャーのみの「TSI」に代わっていき、現在に至ります。

 小排気量化にともないエンジンも小型化させた「ダウンサイジングターボ」は、エンジン内部の摩擦やロスを軽減させたり、直噴などの技術進化もあって、小排気量の経済性を損なうことなく大排気量並みの性能を実現。経済性と環境性能の向上をもたらしました。

 日常域のトルクを増大させる特性も持たせることから欧州で人気を得て、乗用車の7割がターボ搭載車になったほどです(2016年時点)。一方で、排気量で税金が変わる日本では、小排気量が優遇されるため、ダウンサイジングターボが普及が進みつつあります。

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 このような流れのなかで、エンジンそのものの役割が変化してきています。

 ホンダの「i-MMD」や日産の「e-POWER」などのハイブリッドシステムは、「駆動力はモーター、そのモーターを動かす電力はエンジン」という新しいシステムも登場しました。

 より効率的なエンジンが求められる現在では、ハイブリッドやダウンサイジングターボといった、環境性能と動力性能を両立したモデルが主流になっているのです。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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