かなり挑戦的! 売れる自信があった? 理解不能なデザインのクルマ3選
コンセプトは良かったもののデザインで失敗!?
●フィアット「ムルティプラ」
いま、コンパクトミニバンというと日本車の独壇場ですが、イタリアはコンパクトミニバンの先駆け的存在のクルマを作っていました。
それは初代フィアット「ムルティプラ」で、同社のコンパクトカー「600」の派生車として1956年に誕生しました。リアエンジンのRR駆動で、3500mmほどの全長で3列シート6人乗りという、優れたパッケージングのクルマです。
そして、1998年に発売された新型ムルティプラは同じく6人乗りのワゴンでしたが、デザインが衝撃的でした。フロントマスクはまるで両生類のようで、別体のようなキャビンはクルマにクルマがめり込んだようだとも揶揄されます。
ムルティプラは2列シートながら、前席に3人、後席に3人が乗車可能で、それを実現するため全長3995mm×全幅1870mmと、全長に対して極端に幅を大きくしましたが、この比率では見た目のバランスが良いとはいえませんでした。
ムルティプラのデザインは酷評され、さすがにフィアットは無視することができず、2004年のマイナーチェンジでフロント全体のデザインを大幅に変更します。
しかし、後期型はあまりにも普通すぎて、あえて前期型を好むファンも多くいます。
※ ※ ※
今回、紹介した3車種のような奇抜なデザインのクルマは、もはやなくなりました。
自動車メーカーは利益を追求する企業ですから販売面で失敗が許されないのは理解できますが、画一的なデザインばかりでは楽しみがありません。
何年かに1度くらいは、デザインが大いに話題となるようなクルマがあってもよいのではないでしょうか。
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