なぜトヨタ車ばかり狙われる? プリウス、ランクル、ハイエースなど盗難されやすい車の特徴とは

広がる手口、どのような対策が必要か

 盗難被害に遭う条件として、「時間」と「場所」が大きな要素を占めています。日本損害保険協会の発表によると、もっとも盗難事故が起きる時間帯は「深夜から朝(22時から9時)」が全体の7割強を占めるという結果になりました。

 盗難が起きた場所として「自宅の屋外」が約5割となり、屋外の契約駐車場での被害を含めると7割強という結果です。このことから、被害は人々が寝静まる深夜の時間帯にかけて、侵入しやすい屋外駐車場が狙われやすいようです。

 従来の盗難手口としては、「金尺・針金を使う」「鍵穴の破損・ピッキング」「ガラスを破る」など物理的なものが多く存在していました。

 しかし、最近では電波を使って開閉錠をする電子キーの普及により、リレーアタックと呼ばれるような新しい手口が問題となっています。

 以前までの鍵穴に差し込むタイプであれば、自動車メーカーは、盗難を防ぐ車両側の対策として「ドア鍵穴からのエンジンキーの複製防止」や「キーシリンダーの破壊を防止する強度向上」、「キーを使わずドアを開けると警告音が鳴るオートアラームの採用」など、さまざまな対策をおこなってきました。しかし、これらの対策は「リレーアタック」には通用しません。

 リレーアタックとは、電子キーが発する電波をキャッチして、その電波を特殊な装置により増幅させてクルマの近くにいる人に飛ばすことで、電子キーを持っていなくても解錠できるという仕組みです。

 現時点での対策方法としては、金属製などの遮蔽物で電子キーの電波を遮断することが有効とされています。いまではカー用品店などでさまざまな専用の対策グッズも販売されるなど、リレーアタックのニュースをきっかけにユーザー認知が進むことで、社会全体での対策が可能かもしれません。

リレーアタックの対象となる電子キー(画像はプリウスの電子キー)
リレーアタックの対象となる電子キー(画像はプリウスの電子キー)

 また、自動車メーカー側の対策方法として、レクサスの販売店スタッフは次のように説明しています。

「最近のモデルでは、クルマを追跡するサービス『G-Security』や電子キーを複雑化するなどさまざまな対策をおこなっています。

 また、ニュースを見たお客さまからも『リレーアタック』に関するご相談を受けます。その際には、電子キーの仕組みを説明したうえで、個々の車両保管方法に合わせて対応策をお伝えしていることもあります」

※ ※ ※

 基本的な対策方法としては、「バー式ハンドルロックや警報装置などの盗難防止機器を使用する」「狙われやすいような貴重品を車内に放置しない」など、複数の防犯対策を講じることが有効です。

 また、自宅の駐車場でも安心せずに、防犯カメラや防犯灯などを利用して窃盗犯が心理的・物理的に侵入しづらくすることも重要といえます。

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