ダッシュボードの上に飾りや荷物を置いてもOK?サイズによっては違反の可能性も
背の高いSUVやミニバンに補助ミラーが付いているのは「直前側方視界」を確保するため
平成17年1月1日以降に製作された新型生産車と、平成19年1月1日以降に製作された継続生産車に関しては「直前側方視界」の基準にも適合していなければいけません。
その基準は、「自動車の前面及び左側面(左ハンドル車にあっては右側面)に接する高さ1m、直径30cmの円柱を直接に又は鏡、画像等により間接に視認できること」となっています。(ただし、Aピラー及び室外後写鏡による一定の大きさ以下の死角と、ワイパー、ステアリングホイールにより死角となる部分は除外)。
最近の背の高いSUVなどは助手席側フェンダーなどに補助ミラーが付いていたり、死角をカバーするカメラが装着されていたりいますが、これも助手席フェンダー周辺の死角が多いSUVなどがこの基準を満たすための対策となのです。
ちなみにこの「高さ1m、直径30cmの円柱」とは標準的な6歳児を表したものです。運転席から子どもが目視できないようなクルマを運転することがダメになるのは、至極当然としかいいようがありません。
さらに、平成28年11月1日以降に製作された新型生産車と平成30年11月1日以降に製作された継続生産車については、クルマの運転に必要な視野を確保するため、運転者席において、左右 180°及び一定の上下方向の視野範囲における視野を妨げる遮蔽物の設置を禁止しており(Aピラー、側面ガラスを分割する支柱、窓ふき器等を除く)、より広い視界を確保することが義務付けられているのです。
そのため、ダッシュボードの上に設置しているもののサイズによっては、視界基準を満たすことができません。なお、基準となるアイポイントは人体模型をISOの規定に沿って着座させた位置になっていますが、実際に見える範囲は運転者の体格やシートポジションによっても変化します。
そのため、普段のドライビングポジションをとってみて視界を少しでも遮るような位置になにかを設置するのは、例え基準内であっても避けるのがベストといえます。
もし自分の愛車のダッシュボードに物が置いてあるのであれば、前述した「直接前方視界」の基準を満たしているかぜひ確認してみてください。そして、もし基準を満たしていてもフロントガラスを少しでも遮っているのであれば、安全のためにも外すか、ダッシュボード上以外の場所に速やかに移動することをオススメします。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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