セルシオ誕生から30年 レクサス「LS」初代vs最新 高級車づくりに革命を起こしたセダン
レクサス「LS」は、国内ではトヨタ「セルシオ」として平成元年に登場。トヨタではフラッグシップカーでした。国内でもレクサスブランドが展開され、初代から最新モデルまで30年の間にどのような変化があったのでしょうか。
バブル絶頂期に登場して世界を驚かせたセルシオ
レクサスブランドは1989年から主に北米で展開されていますが、その当初からいまに至るまでのフラッグシップが「LS」です。
LSは「ラグジュアリーセダン(Luxury Sedan)」の略とされていますが、ラグジュアリー=豪華、高級という意味の通り、発売当初から贅を尽くしたセダンとして、レクサスブランドのフラッグシップたるポジションに君臨しています。
そこで、30年以上に渡ってラインナップされているLSの初代と最新モデルを紹介します。
●1989年発売の初代LS(セルシオ)
初代レクサスLSは、レクサスブランドの立ち上げとともに1989年に発売をスタートします。ただし日本では、2005年にレクサスブランドの展開がスタートし、2006年にLSとして発売するまで、トヨタブランドから「セルシオ」として発売されていました。
では、セルシオはどんなクルマだったのでしょうか。
セルシオとは、ラテン語で「至上、最高」の意味だといいます。その名が表すように、初代セルシオは「頂点」を目指したクルマでした。
当時、トヨタの最上位セダンは「センチュリー」を除けば「クラウン」でした。そのクラウンを超えるべく投入されたのがセルシオであり、エンジン、足まわりなどに最新技術を惜しみなく投入され、内装においても究極の快適性が追求されたこと。つまり、あらゆる面で最上を目指したのがセルシオの特徴です。
北米において初代LSは、快適性や静粛性、目に見える高級感で、医者や弁護士、会社役員といった富裕層に大人気を博し、メルセデス・ベンツやBMWに対して、高級車のあり方を再考させたともいわれます。
セルシオ登場前の欧州製高級車は、大きなボディに大きなエンジンを積んだクルマという印象が強く、その余裕をもって高級とする傾向でしたが、セルシオは乗り心地の質と静粛性そのものを追求しており「ノイズ/バイブレーション/ハーシュネス」を極限まで抑え、外部とは隔絶された、快適な室内空間を持っていました。
一方で欧州車は、高級車といえどもロードインフォーメーションを重視しており、ある程度のノイズやバイブレーションをドライバーに伝えて当然とも考えていたようです。
ただし、セルシオの世界的ヒットを見る限りでは、多くのドライバーが高級車に求めるのは快適性であり、ロードインフォーメーションではなかったという証明なのかもしれません。
初代セルシオのエンジンは4リッターV型8気筒で駆動方式はFRとし、トランスミッションは4速ATのみとなっていました。
ボディサイズは全長4995mm×全幅1820mm×全高1400mmと、当時の国産車の基準から大きく離れた巨体でしたが、これはもちろん世界基準に合わせたためです。
グレード展開は「A仕様」「B仕様」「C仕様」で、C仕様がもっとも高級でした。価格は、A仕様が455万円(消費税含まず以下同様)で、C仕様Fパッケージでは620万円となっていました。これは当時のクラウンの価格設定(230万円から470万円程度)と比較しても相当に高い値付けでした。
当時はバブル景気真っ盛りということもあって、初代セルシオは大きな話題を呼び、日本でも大ヒットを記録。以降、絶大なブランド力を築くことになります。
象徴的には初代のUCF10系なのだろうが20系の前期のA仕様は車両重量が1640kgと軽くキープコンセプトと言われたデザインながらも運転の見切りの良さや意図してメカニカルノイズを車内に入れることで本来の車としての静かさを教えてくれたセルシオでしたね
初代A様は450万から2代目A仕様は510万から選べる価格の幅の広さは魅力的でしたね
これが20系後期から30系に変わるころから20系前期の不評を拭うべくフルチェンジに迫るマイナーや無駄な装備で何だかクラウンの方向に振りだしてしまったねが実は悲しい歴史でしょうかね
5速ATや強化ガラスに可変バルブ機能付きの1UZに置き換えたことが災いしてすっかり重いセルシオに逆戻りしてしまいました。
以降レクサク専売となったLSが歴代セルシオの販売台数を越えられないのはトヨタを信頼する客に対するTOYOTAの裏切りの結果なのでしょう