306馬力でもジャジャ馬ではなく乗り心地もグッド! 新型「MINIクラブマンJCW」海外で試乗した

ドイツ本国で、「MINIクラブマン」がマイナーチェンジしました。注目は、306馬力、450Nmを発生する2リッターターボエンジンを搭載した「JCW(ジョン・クーパー・ワークス)」です。ドイツ・フランクフルトで開催された国際試乗会で、モータージャーナリストでありタレントの竹岡圭さんが試乗しました。

力強いエンジンはアウトバーンで200km/h巡航も余裕でこなす

 先日、筆者(竹岡圭)は新型「MINIクラブマン」の国際試乗会に行ってまいりました。試乗場所はドイツ・フランクフルト近郊です。

 久しぶりのフランクフルト、ちょっと前まではいちばん左側の追い越し車線を、アウディがぶっ飛ばしていたのが印象的でしたが、今回はなんとなくポルシェとメルセデス・ベンツが増えていたような気がしたのは気のせいでしょうか? これはシュトゥットガルトが比較的近いという場所柄のせいもあるのかもしれませんね。

新型MINIクラブマン ジョン・クーパー・ワークス(JCW)
新型MINIクラブマン ジョン・クーパー・ワークス(JCW)

 もちろんMINIもたーくさん走っていました。いちばん多く見かけたのは、「MINIクロスオーバー」でしょうか。

 そのMINIクロスオーバーと兄弟車という関係になるのが、MINIクラブマンです。今回はそのマイナーチェンジというわけなのですが、待っていたのはなんと、JCW(ジョン・クーパー・ワークス)モデルでした。つまりいちばん速いヤツです。

 直列4気筒2リッターターボエンジン(306馬力、450Nm)という化け物エンジンが搭載されたこの「MINIクラブマンJCW」。なんたって先代比、最高出力75馬力アップ&最大トルク100Nmアップって。軽自動車、いやコンパクトカーの1台分以上アップしてるってことになりますよね。

 こんなパワーが出てるエンジンって何と思ったら、BMW「1シリーズ」のM135i、や「X2M」とほぼ同じエンジンのようです。いってみれば、これらはプラットフォームというかベース部分は共有している兄弟車になりますからね。

 組み合わされるトランスミッションはアイシン製の8速ATで、JCWはすべて四輪駆動の「ALL4」となります。まぁ、4WDじゃないとこのパワーは伝えきれないってことなのでしょう。
 
 でもね、じゃじゃ馬かと思ったらこれがそうでもありませんでした。

 ホイールベースが2670mmと長めのおかげで、ドイツの高速道路アウトバーンの速度無制限区域で200km/h以上出しても、そしてその速度で巡行しても安定していましたからね。これにはビックリです。なんでも、新しいGP(JCWの性能強化版)が登場するまでは、このクラブマンJCWがいちばんパワフルらしいですから、すごいことですよね。

 そしてコーナリング性能もなかなかだったんですよ。

 MINIで初めてメカニカルLSD(リミテッド・スリップ・デフ)が搭載されたんです。これまでも電子制御LSDは投入されてますし、今回も電子制御のLSDも使ってはいるのですが、この超パワフルなエンジンパワーじゃ足りない。ということで、メカニカルLSDが投入されたそうです。
 
 メカニカルLSDってどういうときに働くかといいますと、コーナリングでタイヤの左右の回転差が生じると、軽く回る方へパワーが逃げてしまうじゃないですか。これをコントロールしてパワーを逃がさず、とにかく前へ前へと走らせてくれるもの、簡単にいうとこんな感じです。

 なので、今までよりも速いコーナーリングスピード、とくにコーナーからの脱出速度が上がるんですよね。というわけで、いろんな場面で安定して速くなるという優れものでございます。

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1件のコメント

  1. やたらAWDと言いながらもシステムの重量に対する記事が少ないのは何故なのかな?
    スカイラインGT-RのアテーサETSは極力FRでの走行を基本として横滑りやコーナーの立ち上がりの時に僅かに前軸にトルクをかけると言った時々で車を安定させる為のシステムのセッティングだと聞いたことがあるが?
    何も大きなパワーを伝える為だけにあるAWDなら最初からトルクスプリットなんて無かったと思うがね
    トヨタもクラウンのガソリンとハイブリッドでトルクスプリットのi-fourとトルセンセンターデフを使い分けてるのは発生するトルクにおいて各々レスポンスを重視した上での使い分けだと思う。

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