スイッチひとつで気軽にオープン! 絶版「電動ハードトップオープンカー」5選

スイッチひとつで屋根を開け閉めできる「電動ハードトップオープンカー」。電動のオープンカーと聞くと、どうしても高級なイメージがありますが、カジュアルに乗ることができるモデルも存在していました。そこで今回は、中古車市場でも人気の、絶版「コンパクト電動ハードトップオープンカー」を5台ピックアップして紹介します。

ヨーロッパ車に多いカテゴリーだが日本車でも存在

 電動ハードトップオープンカーとは、スイッチひとつで開閉するルーフ(屋根)を持つクルマのことをいいます。ソフトトップ(幌)と違い、アルミやスチールでできたルーフを持っているのが特徴です。

マツダ「ロードスターRHT(3代目・NC型)の電動リトラクタブルハードトップ
マツダ「ロードスターRHT(3代目・NC型)の電動リトラクタブルハードトップ

 ルーフを電動で開閉することができるので、気軽にオープンエア走行を楽しめます。電動のソフトトップを持つモデルもありますが、電動ハードトップオープンカーの場合は、ルーフを閉めると普通のクーペモデルと同様の快適性を得ることができるのもメリットです。

 電動ハードトップオープンカーの始まりは、日本車では1989年に500台の限定車として登場したトヨタ「ソアラ エアロキャビン」が最初です。後席を廃止し2シーターとしていました。

 現在、新車で購入できる国産車の電動ハードトップオープンカーは、ダイハツ「コペン」とマツダ「ロードスターRF」があります。

 今回は、絶版となったものの、中古車で購入できる電動ハードトップオープンカーを5台集めました。

●ホンダ「CR-Xデルソル」

 ホンダ「CR-Xデルソル」は、1992年3月に発売された2シーターオープンモデルです。

ホンダ「CR-Xデルソル」
ホンダ「CR-Xデルソル」

 電動オープントップ「トランストップ」仕様車が設定された2シータースポーツモデルで、ほかにマニュアル式のオープンルーフ仕様がありました。

 トランストップは、車内にあるスイッチを引くと、まずトランクリッドが真上に上昇、そこからアームが伸びてルーフ部分をキャッチ、そのままトランクリッド下にルーフを引き入れて、最後はそのままトランクリッドが元に収まる、という不思議なメカニズムを採用したところが特徴です。

 CR-Xは、1983年に登場した初代「バラードスポーツ」CR-X、1987年登場の2代目「サイバー」CR-Xともに3ドアのライトウエイトスポーツクーペで、人気を博していました。

 この3代目「CR-Xデルソル」で大きく方向を転換、「誰もが快適にオープンエアクルージングを楽しめるクルマ」として開発されました。ただし、バブル崩壊などもあり人気は低迷、1999年に生産は終了されました。

 発売当時の車両価格は137万円から188万円(消費税含まず)。トランストップは最上級グレード「SiR」にのみ設定されていました。
 
 当時は不人気車だったために、現在残っている中古車は多くありません。80万円くらいから、程度の良いものは100万円を超えるものまであります。

●マツダ「ロードスターRHT(3代目・NC型)」

 マツダ「ロードスター」に電動ハードトップモデルが登場したのは、先代の3代目となる「NC型」からです。2006年8月に発売された「ロードスターRHT」がそれです。

マツダ「ロードスターRHT(3代目・NC型)
マツダ「ロードスターRHT(3代目・NC型)

 名前のRHTとは「パワーリトラクタブルハードトップ」のことで、トランクスペースをまったく犠牲にしない電動ルーフシステムを採用、ルーフ開閉操作は、当時の世界最速となる12秒と謳われていました。

 トランスミッションは6速MTと6速ATが選択でき、2リッター直列4気筒エンジンは、MTモデルは170馬力/189Nm、ATモデルは166馬力/189Nmを発生しました。

 発売当時の車両価格は、240万円から280万円(消費税込み)でした。

 NC型ロードスターRHTは、その希少さも手伝って、程度の良いものだと180万円前後で中古車市場に出ています。 

●ダイハツ「コペン」(初代)

 ダイハツ「コペン」は、2002年6月に登場した、軽自動車の電動ハードトップオープンモデルです。

ダイハツ「コペン」(初代)
ダイハツ「コペン」(初代)

 軽市販車としては初の、油圧機構を採用した電動開閉ルーフ「アクティブトップ」を採用したモデルでした。また着脱できる軽量樹脂ルーフを採用した「デタッチャブルトップ」モデルも用意されていました。
 
 車体色に、5層コート(ホワイトは4層コート)を採用して深みのある艶やかな輝きを実現、さらにダイハツの社内技能認定制度により認定された高技能者が働く、専用工場のエキスパートセンターで生産されるという、特別なクルマでした。
  
 トランスミッションは5速MTと4速AT。2012年まで11年も販売されたロングセラーモデルでした。発売当時の車両価格は、アクティブトップ/デタッチャブルトップ、5速AT/4速AT問わず149万8000円(消費税は含まず)です。

 2014年に現行2代目が登場、「ドレスフォーメーション」と呼ばれる着せ替え機能が、ほかのクルマにはない個性となっています。

 初代コペンは中古車市場でも根強い人気があります。個体は豊富で、車両価格が30万円くらいから選ぶことができますが、程度が良く走行距離の少ないモデルだと80万円を超えるものもあります。

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