「オールシーズンタイヤ」なぜ増えた? 国産タイヤメーカーが続々と日本市場に投入する理由
2019年8月5日、住友ゴムから、オールシーズンタイヤ「ダンロップ オールシーズンMAXX(マックス)」が発表されました。2019−2020シーズンは日本メーカーが続々とオールシーズンタイヤのジャンルに参入してきています。オールシーズンタイヤとはどんなタイヤなのでしょうか。
履き換えいらずで一年中装着できるのがオールシーズンタイヤ
住友ゴムから、ダンロップブランドのオールシーズンタイヤ「オールシーズンMAXX(マックス) AS1」が登場しました。
日本で冬用タイヤといえば「スタッドレスタイヤ」が有名ですが、冬用として存在するタイヤはほかにも「オールシーズンタイヤ」「ウインタータイヤ」などがあります。
スタッドレスタイヤは、凍った道や雪道など、いわゆる冬の道すべてに対応するタイヤです。スパイクタイヤに対し、「スタッド(スパイクピン)」が「レス(ない)」なので、スタッドレスと呼ばれています。
スタッドレスタイヤのトレッド面を見てみると、細かい溝(サイプ)が刻まれています。このサイプのエッジ効果で氷や雪を咬み、冬道でのグリップ力を生んでいます。また柔らかなトレッドゴムを用いることで路面に密着させ、路面とタイヤとの間に生じる水膜を除去、スリップを防ぎます。
トレッドゴムが柔らかいため、以前は高速走行の際にハンドル操作の手応えが薄かったり、ドライ路面を走行中にタイヤから発生する騒音が大きかったりと、ネガティブな要素もありましたが、最新のスタッドレスタイヤでは、ドライ路面での走行安定性や静粛性、さらに耐摩耗性能の向上など、各タイヤメーカーの技術を存分に注ぎ、ドライ路面でもサマータイヤとの違いがわかりづらい商品も多く存在します。
ただし、季節の変わり目にはサマータイヤからスタッドレスタイヤ、そしてスタッドレスタイヤからサマータイヤへと、年2回交換することを前提とします。
対してオールシーズンタイヤは、その名のとおり「オールシーズン(全ての季節)」で使用できるタイヤ、ということになります。スタッドレスタイヤでは春と秋の2回、タイヤ交換をしなければなりませんが、オールシーズンタイヤはその履き換えの必要がありません。
つまり、外したタイヤの保管場所に困らないというメリットもあります。春夏秋冬、雨の日や晴れの日、雪の日までカバーします。
オールシーズンタイヤの歴史は意外に古く、1977年にグッドイヤーが世界初となるオールシーズンラジアルタイヤ「Tiempo(ティエンポ)」を北米で発売しています。日本では2008年からグッドイヤーが「ベクター フォーシーズンズ」を発売、以来、年々知名度が上がっています。
昨シーズン(2018年−2019年シーズン)まで、日本ではこの「ベクターフォーシーズンズ」、ミシュランの「クロスクライメート」、ファルケンの「ユーロウインターHS449」、そしてグッドイヤーのSUV用「アシュアランス ウェザーレディ」と、3ブランドから4商品のオールシーズンタイヤが発売されていましたが、今シーズンはさらに、トーヨータイヤと住友ゴムから相次いで市場導入されています。今後もこの流れは続きそうです。
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