「オールシーズンタイヤ」なぜ増えた? 国産タイヤメーカーが続々と日本市場に投入する理由
国産タイヤメーカーが続々とオールシーズンタイヤを日本で展開する理由とは?
今シーズン、まず登場した国産メーカーのオールシーズンタイヤは、トーヨータイヤの「CELSIUS(セルシアス)」があります。これはSUV向けの全天候型オールシーズンタイヤで、15インチから17インチまで、60から65シリーズまでの全6サイズを用意します。
そして今回、ダンロップブランドで登場したのが「オールシーズンMAXX(マックス)」です。13インチから18インチ、45シリーズから70シリーズまでの全21サイズで、2019年10月1日より発売が開始されます。
なぜ、ここにきて国産タイヤメーカーがオールシーズンタイヤを国内で販売するようになったのでしょうか。
ひとつには、都会に住むユーザーからの要望があります。非降雪地域のマンションに住むユーザーの場合、履きかえたタイヤの置き場に困る人も多いといいます。そうした利便性から、オールシーズンタイヤに対するニーズが年々増えています。
さらに道路インフラが整ったこともあり、非降雪地域の高速道路は真冬でもドライ路面のことが多いのも、ニーズに拍車をかけている理由です。
オールシーズンタイヤは現在、ヨーロッパを中心に販売されていますが、欧州のリプレイスタイヤ(履き換え用タイヤ)市場では、すでに10%を超える占有率だといいます。また年々、その販売本数が増えているそうです。
日本国内では、オールシーズンタイヤを販売していない日本のタイヤメーカーも、ヨーロッパでは展開しています。ということは、日本でオールシーズンタイヤを展開するにあたり、ゼロから企画/開発をスタートする必要はないわけです。
ただし、いくら流行の兆しがあるとはいえ、日本では冬用タイヤ市場は圧倒的にスタッドレスタイヤが中心で、オールシーズンタイヤはまだ認知度も低いです。
まだ日本で展開していない国産メーカーのブリヂストンやヨコハマも、当然欧州向けのオールシーズンタイヤは持っています。
「ブリザック」「アイスガード」という人気のスタッドレスタイヤブランドを持つブリヂストンとヨコハマが、あえてオールシーズンタイヤを日本で展開するという判断を行うのかは微妙です。ただし、市場動向を見据え「いける」と判断したら、それこそすぐに国内展開を行う可能性もあります。
※ ※ ※
とくに氷の路面(アイスバーン)においては、オールシーズンタイヤよりもスタッドレスタイヤの方が確実に短い距離で止まることができます。ですので、交差点がアイスバーンになっているような場所に住む、降雪地域のユーザーにおすすめできる商品ではありません。
都会でも、雪が降った場合、何日も除雪されずにアイスバーンになっている道が各地にあります。自分の住む近所にそういう道がある場合、とくに坂の多い地域に住んでいる場合は、オールシーズンタイヤを履くのか、それともスタッドレスタイヤにするのか、いま一度考える必要があると考えます。
スタッドレスタイヤもオールシーズンタイヤも、けっして万能タイヤというわけではなく、それぞれにメリットとデメリットがありますので、自分のカーライフにあわせて選択することをおすすめします。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。