東京都が9割も負担? 多発するペダル踏み間違い防止装置は今後普及するのか
後を絶たない高齢ドライバーによる「アクセルとブレーキの踏み間違い」。ニュースなどでは、重大事故の様子が連日のように報道されています。そんななか注目を集めているのが、後付け可能な「アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置」です。この装置はどのようなものなのでしょうか。
後付けの「アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置」とは?
最近、頻繁に報道される高齢ドライバーによる重大事故。それらの事故の原因とされるのが、「アクセルとブレーキの踏み間違い」です。
そこで注目が集まっているのが、後付けの「アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置」です。数年前から電子関連部品メーカーなどが開発して市場に出回っていた商品ですが、ここへきて一気に需要が高まっています。
この後付け「アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置」とはどんなものなのでしょうか。
すでに新車の約8割が、高齢ドライバーによる重大事故を未然に防ぐための「アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置」を装着していますが、日本国内に出回っている8000万台近い既存車のすべてを対象としたものではありません。
最大の理由は購入に対する補助金制度です。なかでも人口が多い東京都では、2019年7月31日から購入と取り付けの費用の9割を補助する制度を開始。対象は、都内在住の70歳以上の高齢者です。
これを受けてテレビやネットでは、カーディーラーや自動車部品量販店で「アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置」を買い求める様子、または装置を付けたクルマの体験試乗を紹介しています。
しかし、こうした一連の報道、また東京都など地方自治体の方針について、素朴な疑問が沸いてきます。それは、後付けの「アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置」について性能評価に関する基準が存在しないという点です。
国は2017年から、安全運転サポートカー(サポカー)という、安全運転に関する概念を発表しました。サポカーとは、自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)などの先進的な運転支援システムを装着しているクルマを指します。さらに、「アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置」を加えたクルマをサポカーSと呼んでいます。
自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)については、サポカーに該当するための性能認定制度があります。
具体的には、「停止している前方車両に対して時速50kmで接近した際、衝突しない又は衝突時の速度が時速20km以下になること。または、時速20kmで走行する前方車両に対して時速50kmで接近した際に衝突しないこと」といった項目のほか、「アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置」について作動する条件などを定義づけています。
一方で、最近話題となっている後付けの「アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置」については、国による性能認定制度がありません。
自動車メーカーではトヨタがディーラーで装着するメーカーオプションパーツとして、2018年からプリウスやアクア用に後付けの「アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置」を発売。その後に対応車種を拡大しています。
また、自動車部品量販店では、各メーカーの各車種対応をうたった、自動車メーカーとは直接関係のない電子部品メーカーなどの商品が販売されています。
踏み間違え防止装置ではなく 踏み間違え加速抑制装置ですよ。 全く違うものですから、間違えないように