なぜ赤色ばかり? クルマのアクセントカラーに赤が多い理由
フェラーリはなぜ「赤」のイメージが強い?
ボディカラーとして、赤色のイメージを起こさせやすいのがイタリアのフェラーリです。なぜ、フェラーリは、赤いボディカラーのイメージが強いのかというと、それはモータースポーツとの深い関係によるものでした。

かつて4輪モータースポーツ界では、1900年から1905年に開催された「ゴードンベネットカップ」をきっかけに、国別に車両の塗装色を分けるナショナルカラーという伝統が存在した時代がありました。
その際、イタリアには赤が割り当てられ、当時レースに参戦していたアルファロメオやマセラティは赤色のマシンを製造し、レースに参戦します。
やがて、1968年頃を境にナショナルカラーは衰退し各国は次々にスポンサーカラーなどを取り入れたマシンデザインへと変更しますが、アルファロメオから独立しイタリアを代表するブランドへ成長を遂げたフェラーリは、デザインの変更はありつつもナショナルカラーであった赤というボディカラーを貫き続けます。
レースで走る赤色のクルマは多くの人々の記憶に鮮明に残り、スポーツカーといえば赤いフェラーリ、そこからイタリア車というイメージが連想され、スポーツカーといえば赤いイタリア車というイメージが定着したとされています。
その後、日本においては池沢さとし氏の「サーキットの狼」などの漫画の影響で1976年頃に起きた、スーパーカーブームの影響も大きいとされています。
フェラーリやランボルギーニなどのクルマがミニカーやプラモデルとして発売され、スーパーカーの購買層以外の人々の間でも人気を博しました。
その際に、赤いボディカラーのものが多く出回っていたため、日本においては「イタリア車=赤」というイメージが広まったのではないかといわれています。
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フェラーリが1世紀以上守り続けた「赤」という伝統は、長い月日をかけモータースポーツ界で不動のものとなり、現代の日本のカーデザインにまで影響を与えました。
歴史が完成させた「クルマ×スポーツ=赤」という方程式は、今後も世界中で愛され守られ続けるイメージといえます。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。



















