広さ求める日本の軽やミニバンの後席が危ない! 衝突安全性能向上で見えた課題とは
すべての軽自動車やミニバンで衝突時に注意すべきポイントとは
今回のN-BOXの衝突実験でも明らかなように、衝突に弱いイメージのある軽自動車でもしっかりと作られた車体であれば、前方向からの衝突では普通車と同レベルの安全性を持っています。

JNCAPの試験結果によると、N-BOXは横方向からの衝突に関しても普通車と遜色ありません。ホンダのNシリーズは、軽自動車だからといって衝突時の安全性が普通車よりも低いということはないのです。
ホンダは、軽自動車の衝突安全性能に関してトップを走っているといっても過言ではありません。
ただし、軽自動車には衝撃を受ける場所によってウィークポイントもあります。それは、後方からの衝撃。具体的にいえば、信号待ちや渋滞の最後尾で停止していている際に、後続車から追突されるような状況です。
昨今の軽自動車は、室内後部の広さを求めて後席が車体後方ギリギリに寄せられています。だから衝撃を吸収する空間が比較的広いセダンやワゴン、SUV(3列シート車の3列目を除く)などに比べると、後方から衝撃を受けた際に後席乗員へのダメージが大きくなります。
だから軽自動車に乗る人は命を守るために、信号待ちや渋滞最後尾で止まる際は、後ろから衝突された際のダメージが少しでも減るよう、前へ逃げられるように停車時は車両の前に広めの車間をあけ、停止後もいつも以上に後方の様子をチェックする、などの配慮をしたほうがいいでしょう。
さらにいえば、後方からの衝突に弱いのは軽自動車だけに限った話ではありません。シートが車両最後部にある3列シートミニバンやコンパクトカー、そして3列シートSUVにも同じことがいえます。
それらのクルマを運転する際には、後方からの衝突に弱く、ある程度の速度で後ろから追突されると後席の乗員が大きなダメージを受ける可能性が高いことを、頭に入れておく必要があるといえます。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。






















