車の免許返納で受ける心の傷 返納者に待ち受ける職員の理解なき言動とは?
運転免許返納時に職員が発した言葉とは?
運転免許の自主返納を受け付ける現場において、一部では職員の理解不足な言動も問題視されています。
親が運転免許の自主返納をおこなった前出の女性は、手続きをした際に職員から受けた言動について、次のように振り返ります。
「自主返納は警察署でもおこなうことができると聞いていたので、まず警察署へ向かいました。
しかしそこで『いまは人手が足りないから時間がかかります』と、免許センターに移動してもらいたいことをほのめかすような発言を受けました。不快に感じたので、免許センターで手続きをおこないました」
女性が違和感を覚えたのは、警察署での出来事だけではありません。
「免許センターでも、職員から手続き時に『運転免許の期限があと1年以上も残っていますが、手続きを進めても大丈夫ですか』と、必要のない質問を受けました。こちらは、免許を返納する意思を固めたから訪れているのですが。
善意もあってそのように質問されたのは理解できますが、ぞんざいに扱われたので、その日は母だけでなく私も心身ともに疲れきってしまいました」
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女性は、運転免許を手放した親はこれからタクシー移動が主になるだろう、と話しています。移動手段として、タクシーのほかに便利なものはあるのでしょうか。
JAFは、運転免許を返納した後に利便性の高い移動手段として、次のようなものを挙げています。
「路線バスや地下鉄などが、一定期間無料で乗り降りできるシルバーパスを満70歳以上の高齢者に発行している地域もあります。
地域によっては『コミュニティバス』と呼ばれる循環バスを走らせている自治体もありますので、お住まいの市区町村窓口で確認してみましょう。
『セニアカー』と呼ばれる電動クルマいすも販売されています。セニアカーは運転免許証を必要としないため、免許を返納した後でも運転することができます。最高速度は6km/hと早歩き程度で、歩行者と同じ扱いとされています」
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地域によっては運転経歴証明書による特典も用意されており、それによって割安にタクシーなどを利用することも可能です。
一例を挙げると、警視庁が管轄する東京都内においては、65歳以上の人を対象に、特定のタクシー会社の乗車料金が10%割引されるなどの特典があります。
しかし、このような特典を用意したとしても、クルマを手放した高齢者にとって移動に制限がかかるという事実は変わりません。
一念発起して運転免許の自主返納をおこなった高齢者が、不当な扱いを受けることのないよう、自主返納を受け付ける現場の対応から、返納後の移動手段の確保にいたるまで、さまざまな場面で手厚い対応をおこなうことが求められています。
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