車のバックドア開いたままの走行は違法? 荷物の積みすぎはNG行為なのか
時々見かける、荷物の積みすぎでバックドアが閉まらないクルマ。とても安全な状態とはいえないこの行為は、違反ではないのでしょうか。
バックドアが閉まらないクルマは走行して良いのか
街を走るクルマのなかには、時々バックドア(リアゲート)が完全に閉まっていない状態で走っている車両が見かけられます。
偶然閉め忘れただけという場合も考えられますが、なかには荷物の詰め込みすぎで閉まらず、紐でバックドアを無理やり固定している場合もあります。これは違反行為にはならないのでしょうか。
バックドアが開いた状態で走行することで起きる問題点としては、隙間から荷物が落下する恐れがある点、そしてバックドアにナンバープレートが装着されている場合はナンバープレートが見えなくなる点などが挙げられます。
道路交通法第71条第4項では、運転者が守らなければならない事項として、次のことを記載しています。
「乗降口のドアを閉じ、貨物の積載を確実におこなうなど、乗車している者の転落、または積載している物の転落や飛散を防ぐため、必要な措置を講じなければならない」
すなわち、荷物が落下する可能性があるなかで、ドアを開けて走行することは、運転者の遵守事項を満たしていないことから違反行為となります。
また、乗員が乗る空間と荷室部分が独立していないハッチバック車やSUV、ミニバンなどの場合は、バックドアからの転落を防ぐべきものとして荷物のほかに乗員も加わります。
運転者が乗員に対して守ることとして、道路交通法第71条第4項の3においても、「安全を確認しないで、ドアを開き、または車両などから降りないようにし、およびその車両などに乗車しているほかの者が、これらの行為により交通の危険を生じさせないようにするため必要な措置を講ずること」と記載されています。
これらのことから、バックドアが開いたまま走行する行為はNGだといえます。
ナンバープレートについても、道路運送車両法においてクルマの運行中は番号が判読できるようにすることが定められています。そのため、バックドアが上がり過ぎて読めない場合は違反です。
ちなみに、タクシーの乗客が荷室に収まりきらない荷物を持ってきたら、タクシードライバーはどのように対応するのでしょうか。現役タクシードライバーは、次のように話します。
「タクシードライバーは、バックドアが閉まらない状態で走行することが違反行為であることを認識しています。そのため、もし載せきれない量の荷物を乗客が持ってきた場合は乗車拒否をすることもあります。
ただ、タクシーにあらかじめ大型の荷物を固定できる装備(ルーフキャリアなど)が装着されている場合は、乗客のスキー板や自転車などを載せて走ることも可能です」
パトカーで自転車を積んで、後ろドアが開きっぱなしの車を見たことがある。そうすると、このパトカーは違反をしていたのでしょうか?