主人公の成長を見守るクルマ漫画!? 「オーバーレブ!」に登場する車5選
ドリ車人気が沸騰した「マークII」3兄弟の
●マツダ(オートザム)「AZ-1」(副島孔太)
軽自動車のみで構成されるという特殊なチーム「JERRy’s(ジェリーズ)」で、最速を誇る副島孔太(そえじま こうた)の愛車がマツダ(オートザム)「AZ-1」です。
AZ-1が発売されたのは1992年ですが、その1年前である1991年にはホンダ「ビート」、スズキ「カプチーノ」など軽自動車のスポーツカーが相次いで発売されました。AZ-1、ビート、カプチーノの頭文字を取って、当時は「ABCトリオ」と呼ばれるほどでした。
なかでもAZ-1はひときわ異彩を放っていて、その理由はガルウイングドアを採用していたことです。さらに、ボディパネルにFRPを採用したおかげで軽量に仕上がり、その車重はわずか720kgと、現在のホンダ「S660」では最軽量モデルが830kgですから110kgも軽いことになります。
ミッドシップによる高い旋回性能、スーパーカー並みのクイックなステアリングレシオという、走り屋のために作られたようなクルマでしたが、その構造上サイドシルが高く乗降が困難であったこと、価格がビートやカプチーノに対して5~10万円ほど高かったこと、車体の挙動がシビアで乗り手を選ぶことなどが災いし、発売からわずか3年で生産が打ち切られています。
ただし、当時は不人気だったクルマが後に再評価されて人気が高まるのはよくあることです。このAZ-1もその例に漏れず、程度の良い個体だと新車価格を遥かに上回る、200万円以上の値をつけていることも珍しくありません。
●トヨタ「チェイサー ツアラーV」(日下達也)
「オーバーレブ!」には数多くのクルマが登場しますが、そのなかでは比較的珍しい4ドアセダンのトヨタ「チェイサー ツアラーV」を自在に操るドリフターが日下達也(くさか たつや)です。
当時の自主規制枠の上限ギリギリであった最高出力280馬力を発生する最強グレードだった「ツアラーV」では5MTが存在しました。さらにチェイサーは後輪駆動であり、つまり「ハイパワー/MT/後輪駆動」というドリフトに不可欠な要素が揃ったクルマだったのです。
そしてチェイサーは兄弟車種であった「マークII/クレスタ」に比べてスポーティな外観が与えられ、丸目4灯ヘッドライトが醸し出す強面な表情が人気でした。
チェイサーはこのX100系で6代目ですが、この世代を最後に消滅してしまい、後継車として「ヴェロッサ」が登場します。クレスタもこのX100系をもって廃止され、ヴェロッサに統合されますが、後にマークIIも含めすべて「マークX」へ統合され、MTがカタログモデルからなくなってしまいました。
さらにはスポーツカー人気も下火となり、スポーツ走行に対応できるクルマの多くが販売終了というなかで、このX100系3兄弟は中古市場において「安価で購入できる、ドリフト向きのクルマ」として脚光を浴びることになります。
その人気は現在でも変わることはなく、そのため良質な個体は数を減らし、相場は150万円くらいと、年式の割に高めの相場を維持しています。
もともとATとして販売された個体を、後にMTに換装したという車両も珍しくありません。
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「頭文字D」のように、最初からハイレベルな技術を持つ走り屋たちがバトルを繰り広げる内容とは異なり、「オーバーレブ!」ではクルマの知識、運転技術ゼロという状態から、練習や失敗を重ねて主人公たちが成長していきます。
それぞれが選ぶクルマにもストーリーがあり、きっと共感できる部分が見つかるかもしれません。
【了】
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